【再考】バルベルデ続投について考える

今回はバルベルデ続投の是非について書いていきます。

シーズンオフ。今現在、我々クレにとって最も大きな関心の一つは監督人事でしょう。

国王杯の敗戦を受け、「明日にも解任」の報道が出たり、一転して続投の情報が出たり。フロントや主力選手はバルベルデを評価し、続投を望んでいるようですが。どうでしょうか。

いかんせん、現地クレからの評判が悪すぎますからね。バルサ公式Twitterが何かツイートすると、そのリプ欄は #Valverdeout の文字で埋まります。

私のTwitterタイムライン上でも、毎日のように議論が交わされています。

まだまだこの問題は長引きそうです。

来季もバルベルデでいくべきか。新監督を招くべきか。

批判を恐れず言います。私は、

バルベルデを解任すべき

だと思っています。正確に言うと、“解任して欲しい”でしょうか。

待って下さいね。保険を掛けるようですが、私もバルベルデの手腕は高く評価しています。これは嘘ではありません。過去の記事にも書いていますよね。

昨季はネイマールショックからチームを建て直して2冠を達成。今季もフォーメーションを4-3-3に戻しつつ、リーガを制して3冠まであと一歩というところまで迫りました。その安定感は抜群。選手交代など試合中の微調整も含めて、世界でも有数の監督であることに間違いありません。

ただ、です。

実は4ヶ月ほど前、バルベルデの契約延長が発表された際にも「バルベルデ続投反対」の記事を出しました。

まずはそちらを読んで頂きたいところですが…。面倒くさいという人のために、上の記事をなんとなく掻い摘んでまとめてみます。

★「バルベルデ続投は反対! 変化を恐れたバルサはどこに向かう」

○変化を好まないバルベルデ
 ・高齢化する主力の固定起用
 ・変化しない戦い方

○少ない攻撃パターン
 ・進むメッシ依存
 ・守備戦術は得意だが、攻撃の戦術には幅がない

○3年目
 ・マンネリ化
 ・研究される

→今後10年のバルサを考えた時に、適した監督?

ざっとこんな感じです。フルバージョンはこちら↓↓

まぁ、ここまでの内容にも賛否両論あると思います。

ここから、18-19シーズンが終わって改めて、私が「バルベルデを解任すべき」だと思う理由を書いていきます。

先に言っておきますが、バルベルデ擁護(賛成)派の方々を批判、非難、するつもりは全くありません。これはあくまで私個人の考えです。どちらが正しいなんてありません。

そして、先に言いますがこの先は感情的な意見がとても多くなっています。建設的ではない部分も多々あります。お許し下さい。

前置きが長くなってしまいましたね。ではいきましょう。

★皆さんは、来季どんなバルサが見たいですか?

まずは、ここです。皆さんは、来季のバルサにどんな戦いを期待しますか?どんなバルサが見たいですか?

3冠、CLを獲って欲しい。それは当然ですね。その他にも、色々あると思います。

例えば、その中には“負けてもいいから、カンテラーノ中心のメンバーでボールポゼッションを高めるサッカーをもう一度見たい”という人もいるでしょう。

極端な事を言いますが、私はどちらかというと“そっち”なんですよ。

バルサというチームを、そしてサッカーをどういう価値観で観ているか。そこで考え方は変わってくると思います。

★私がバルサを好きになった理由

ここから少し話がズレます。

私は幼い頃から大学卒業までずっとサッカーをやっていました(現在25歳)。小学生の頃からゲームといえば「ウイニングイレブン」。ACミラン、インテル、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、レアル・マドリー、そしてバルセロナが強かったので、友達との対戦では上に挙げたチームばかり使っていました。

ただ、地元チーム(京都サンガ)も含めてリアルのサッカーを見たことがあまり無かったんです。なので、国内外関係なく応援するチームなんて全く無かったですし、「サッカーは自分がプレーするもので、見て楽しむものではない」という考えでした。

ただ、高校を卒業して実家に戻ったとき(高校3年間は寮生活でした)、リビングのテレビにWOWOWが契約されていたんですよ。そこで偶然バルセロナのサッカーを見て衝撃を受けました。

見ていてこんなにワクワクして、楽しいサッカーがあるのか

と。

ちなみにその時の監督はティト・ビラノバでした。実は私、こんなに偉そうに書いてますが、ペップバルサはほとんどリアルタイムで見たことないんですよ。笑

ただ、プジョル、シャビ、イニエスタ、ダニ・アウベスは健在でしたし、セスクやペドロ、ビジャもいました。チアゴ・アルカンタラ、テージョ、モントーヤ、バルトラ、ムニル、そしてセルジ・ロベルト。いま考えるとパッとしないメンバーもいますが、いわゆる“バルサイズム”を継承する若手もたくさんいました。カンテラ出身ではありませんが、ネイマールも加入しました。

そして、このサッカーの中心にはいつもメッシがいました。

世界中の対戦相手が時間を掛けて準備した守備網を、パスワークであざ笑うかのように脱出し、最後はメッシが決める。痛快でした。

こうやって考察記事などを書いている人間として適切では無いのかもしれませんが、私はバルサのサッカーを一種のエンターテインメントとして見てきたんです。

飲み会の誘いがあってもバルサの試合を優先しました。大学時代はアルバイトで必死にお金を貯め、スペイン一人旅をしてクラシコも観戦しました。

今では、自分なりにサッカーを学んで、プレミアリーグの試合も大好きになりましたし、幅広くサッカーを見るようになりました。ただ、結局バルサだけは特別なんですよ。

だからこそ、現実的に無理だと分かっていても、バルサには“他とは違う特別”を求めてしまうんです。

★でも、バルベルデバルサは…

正直、近年は“強いバルサ”という点ではある程度満足していますが、内容は本当に退屈な試合も多いと感じています。仕方ないのは分かっているんです。それでも、もどかしい。

はっきり言います。バルベルデのサッカーは面白くない。

ビダルもパウリーニョも、好きな選手です。それぞれプレーしたのは1シーズン(ビダルは来季もいるかも)ですが、その貢献度は計り知れません。ただ、バルサにいて欲しい選手ではない。

私の中では、GKとセンターフォワード以外はカンテラ出身の選手を使って欲しいという思いがあります。

バルベルデも、カンテラ出身の選手をたくさんデビューさせました。今季だけで8人です。(リキ・プッチ、ワゲ、アベル・ルイス、アレックス・コリャド、チュミ、ミランダ、クエンカ、カルレス・ペレス)

ただ、それは国王杯の序盤や、リーガ優勝が決まって完全ローテーションした試合に限られています。来季以降も積極的に起用するという意図が感じられるのはプッチ、ワゲくらいです。

単純に多くデビューさせているから、バルベルデはカンテラを重視しているとは言えないと思います。

そして、何よりそのサッカーです。4-4-2が悪いとは言いません。ただ、今季リーガ前半のアトレティコ戦、後半のベティス戦で見せたような、ボランチタイプの選手を中盤に4人並べ、まずは守備の安定を考えた4-4-2は本当にショッキングでした。ショッキングというか、「あ、“メッシがいる”普通のチームになったんだな」と感じてしまいました。

18-19シーズン リーガ13節アトレティコ戦のスタメン
18-19シーズン リーガ28節ベティス戦のスタメン
この図ではビダルを左ウイングの位置に置いていますが、実際はトップ下のようなイメージでした

★建設的な反対意見を

さぁ、ここまでは完全に、感情に任せた文章になってしまいました。バルベルデ続投反対派の意見としてはあまりにも浅すぎます。

ここからは、少し建設的な意見を。前回の記事で書いたことは書きません。

①リアクション監督

まずはこれです。2シーズン見てハッキリしました。バルベルデは相手の仕掛けに対する試合中のリアクション(修正)は得意な監督ですが、自分から仕掛けることが苦手(下手)な監督です。

そして、守備的な戦術は得意ですが、攻撃的な戦術はパッとしません。

昨季の序盤は、選手交代で流れを変える「バルベルデマジック」が炸裂しました。パウリーニョが目立ったやつです。これはある意味“攻撃的なリアクション”ですね。だた、リーガの中位下位チームに通用しただけで、欧州のレベルでは効果がありませんでした。

クロップやペップは、開始から仕掛けることができます。まぁ、あのレベルの監督なんて世界中探してもほとんどいませんけどね。

ただ、バルベルデは絶好調のメッシを擁しながら、2年連続でCL大逆転負けを喫したんです。受け身の采配で。これでは来季以降も期待できません。

②途中解任の可能性

次はこれです。バルベルデ続投となっても、成績不振によるシーズン途中解任の可能性が非常に高いと思っています。

この2年間通して考えると、バルベルデは素晴らしい成績を残してきました。ただ、2年連続大逆転負けしたCLを筆頭に、負け方が悪すぎるんです。

とりあえず続投するとなっても、“首の皮一枚でつながっている状態”です。フロントとしては、“負けが続いたら監督のせいにすれば良い”と思っています。間違いなく。

そうすれば、シーズン途中に、「内部からの昇格orフリーの人材から」で新監督を選ばないといけません。短期的な監督交代ブーストはあるかもしれませんが、バルサのようなチームは特に成功のシーズンを送れるとは思えません。

だからこそ、このシーズンオフの間に監督交代して欲しいと思っています。

③選手から見る“良い監督”は本当に良い監督なのか

ショッキングな敗戦の後でも、主力選手たちは口を揃えて言います。「敗戦は自分(選手)たちの責任だ。ボス(監督)は素晴らしい仕事をしている。来季以降も続けて欲しい」。

それはそうでしょう。自分たちの言う事を何でも聞いてくれて、基本的に自由にやらせてくれるんですから。
(現場を実際に見ているわけではないので、あくまでもイメージですが)

みなさん、自分たちの学生時代を思い出して下さい。生徒との距離が近くて、イジってもバカにしても笑って許してくれて、すごく優しい先生。1人はいましたよね。悪い言い方をすると、生徒の機嫌をとる先生です。

もちろん、教育熱心で、言うべき時、言うべき事をしっかり言える先生なら全く問題ないと思います。

でも、ただ優しいだけの先生って、その時は良くても、結局自分(生徒)のためになっていない場合、すごく多くないですか。反対に、ガミガミうるさく怒って注意する先生が、後になって考えると“本当に自分たちの事を考えてくれていたんだな”なんて感じた事、みなさん一度はあったでしょう。

バルセロナの監督と学校の先生を比較対象にするのはおかしい話ですが、今のバルベルデってそんなイメージです。ヒエラルキーの高い、イケてる選手たちの機嫌を取りながら、チームをマネジメントする。

これは、本当の意味で選手たち、そしてバルサにとって良い監督なのか。私は違うと思います。この点からも、私はバルベルデを解任して、チームの雰囲気を変える必要があると考えます。

*この項目で書いていることは、あくまでイメージです。

④他に候補がいないだけ

最後はこれです。ここまで書いてきましたが、結局、「じゃあ他に誰がいるんだ」と言われれば、いません。思いつきません。私個人的には、「もういきなりシャビでもいいんじゃね」と少し思っていたのですが、カタールのチームに決まってしまいました。

ただ、どちらにしてもバルベルデ続投は「他に思いつく候補がいないので選択肢の筆頭」というだけです。彼のままCLで勝てるとは思えません。

目指すビジョンがしっかりあるなら、博打になっても他の監督が率いるバルサを見たいと思います。この点も、あくまでも私個人の考えですけどね。

★最後に

ここまでの私の感情(批判)は、指揮官であるバルベルデだけに向けているものではありません。むしろ、責任が大きいのはフロントだと思っています。ただ、この記事ではフロント批判も書くと長くなりすぎるので、今回は触れません。

監督を交代しても期待できないのなら、選手との関係も良好で安定した結果を残せるバルベルデの方が良いんじゃないか。私もそう思った時期もありました。

ただ、何か変化したバルサを来季は見たい。そんな思いでこの記事を書きました。

みなさんは、どう考えますか?

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