★両チームのスタメン(バルサのベンチメンバー)

★得点(アシスト)と警告・退場
・得点
前半12分 【レガネス】 エン-ネシリ(ロケ・メサ)
後半8分 【バルサ】 スアレス(メッシ)
後半34分 【バルサ】 A・ビダル
・警告(イエローカード)
【バルサ】 ブスケツ,A・ビダル(2枚)
【レガネス】 ロケ・メサ(1枚)
・退場者(レッドカード)
【バルサ】 なし
【レガネス】 なし
★試合の流れ *得点に関わる場面は赤文字
代表ウィーク明け、苦手のアウェーに乗り込んだバルサ。相手は最下位に沈むレガネスです。
まず、先発に驚かされました。メッシ、スアレス、グリーズマンのMSGに加えてデンベレもスタメン入り。ほぼ4トップのような形になりました。ケガ人続出の両サイドバックには、ジュニオルと今季初出場のワゲが起用されます。
○前半
キックオフ。戦前の予想通り、レガネスは5-4-1の3ブロックを敷いて自陣にどっしりと構えます。
バルサは右デンベレ、左グリーズマン。トップ下(自由)にメッシが入り、中央にスアレスという形です。ブスケツ、フレンキーは完全に横並びのダブルボランチでした。
最初のチャンスはレガネス。バルサは高い位置からプレッシャーをかけられると、テア・シュテゲーンのパスがズレたところをブライスワイトに拾われて、シュートを打たれます。危ないシーンでした。
今季ずっと苦しんでいるアウェーゲーム同様、なんとなくフワッとした雰囲気で試合に入ってしまったバルサ。
12分に先制点を奪われます。中盤でプレスを掛けるもボールを奪えず、R・ペレスをフリーにしてしまったところから。
インサイドにポジションを取ったロケ・メサにジュニオルが釣られてターンで剥がされると、空いたスペースに走り込んだエン-ネシリ。
カバーに入ったピケとうまく間合いを取りながら、左足のコントロールシュートを決めます。素晴らしいシュート。テア・シュテーゲンはノーチャンスでした。
バルサとしては、あまりにも簡単にやられてしまいました。また追いかける展開です。
23分にようやくバルサがチャンスを作ります。中央で前を向いたメッシのスルーパスに抜け出したスアレス。ただこれはタッチが大きくなってシュートを打つことができず。
このあたりの時間帯から、グリーズマンとデンベレの左右が入れ替えわりました。
31分、左サイドに入ったデンベレの右足クロスにスアレスがヘッドで合わせますが、これは相手GKの好セーブに防がれます。
少しずつチャンスはできるものの、ほぼ良いところはなくこのままリードを許して前半が終了。
メッシが良い位置で前を向いてボールを持ったのは23分のシーンくらいで、4トップも効果的とは言えませんでした。
○ハーフタイム
ハーフタイムでの交代は両チームありません。デンベレが左、グリーズマンが右サイドのまま後半に挑みます。
○後半
2分のバルサ。メッシの右コーナーにピケがドンピシャで合わせますが、ポストに防がれてしまいます。
レガネスは守りに入りすぎたか。バルサが相手自陣でボールを回し続ける展開になります。
そして迎えた8分。バルサが同点に追いつきます。
左サイドのフリーキック。メッシのキックにスアレスが頭で合わせてゴール。レガネス守備陣のラインが揃っておらず、スアレスはドフリーでした。
このまま試合はバルサペースに。バルベルデはここで2枚の交代カードを使い、フォーメーションを4-3-3にします。
12分、ブスケツ→ラキティッチ,グリーズマン→ビダル
下の図のような形になりました。

ラキティッチは久々のピポーテですね。中盤の枚数を一枚増やして攻撃の厚みを出し、高い位置で攻撃を続ける狙いでしょう。
ただ、この交代の直後から、ボールを回しているだけになり攻撃に迫力が無くなりました。
相手DFラインの裏に抜け出す選手がおらず、手詰まり状態に。唯一フレンキーは上下によく動いていましたが、3トップがほぼ棒立ちのような状態でパスが入りません。
バルベルデは25分にフレンキー→A・ファティの交代を行い、再び4トップの形に戻します。
下の図の形です。

このあたりの時間から、引き分けで良しとするレガネスは徐々に時間を使い始めます。
この展開は引き分けのパターンかと思っていた34分、試合が動きます。
デンベレの右コーナーから。中でラキティッチと競り合ったペレスに当たってボールがゴール前にこぼれると、完全にオフサイドラインにいたビダルの足元へ。ビダルは左足で押し込んでゴール。バルサが逆転に成功します。
残念だったのはここから。パスでいなして試合をコントロールするでもなく、もう一点を狙いに行くでもなく、中途半端なバルサ。守備に割り切る場面も長く…
ロスタイムにはカウンターからデンベレがチャンスを迎えるも決めきれず。試合はこのまま終了。
今季ここまでわずか1勝で最下位に沈むレガネス相手に、文字通りの辛勝でした。
★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)
GKテア・シュテーゲン 5.5点
失点はノーチャンス。ただ、不用意な飛び出しやパスミスでピンチを作る場面もありました。
CBピケ 5.5点
ピッチ外の話題が多すぎるこの男。プレーで証明できるなら何も言いませんが。失点シーンの対応は軽かったと言わざるを得ません。コーナーからもチャンスは決め切って欲しかった。
CBウムティティ 6点
ウムティティも全盛期のプレーからするとまだまだです。
RSBワゲ 5点
ドリブルの打開でポテンシャルを見せる部分もありましたが、全体的には厳しいプレー内容でした。
味方とイメージを共有できていない単純なクロスボールが多く、すべて跳ね返されました。パスも少しズレる場面がありました。
LSBジュニオル 5点
アルバと比べるのは申し訳ないですが、やはり単純なトラップ、パス、ランニングの質がすべて物足りない。
MFフレンキー 6点(後半25分OUT)
攻撃が行き詰まったとき、相手DFラインの裏まで飛び出て味方のスペースを作る動きを繰り返すなど、細かい部分で工夫が見られました。
ただ、チーム全体として共有されている決まり事ではないのか、全く上手くいかず。本人としてももどかしかったんじゃないでしょうか。
MFブスケツ 6点(後半12分OUT)
ダブルボランチの一角としてプレー。慣れない立ち位置でしたが、うまくボールをちらしてコントロールしていたと思います。
ただ、この日も最初の交代カードでOUT。イエローをもらっていたとはいえ…。なんだか寂しくなります。
次のアトレティコ戦は累積で出場停止。
FWデンベレ 5点
評価が難しい選手です。効果的なプレーは少なく、いつも通り簡単なミスもあったんですが…。可能性を感じさせる動きがあったのも事実です。
FWグリーズマン 5点(後半12分OUT)
後半12分で交代。デンベレと左右を入れ替わりながらなんとか突破口を見出そうと頑張っていましたが。ここ数試合、特にメッシ復帰後は苦しんでいます。
FWメッシ 6.5点 ★MOM
いつものメッシには程遠かったですが、MOMに選出。やはりチャンスを作り出すのはメッシしかいませんでした。
攻撃が完全に手詰まり状態の時間が長く、ボランチの位置まで下がってボールを受ける場面も多く…。フラストレーションの溜まった試合でしょう。
FWスアレス 6点
同点ゴールは見事。ただそれ以外はパッとしませんでした。
○交代出場
MFラキティッチ 6点(後半12分IN)
久々にポジティヴな内容だったんじゃないでしょうか。何度もボールを触り、ボールをちらしました。
ピポーテとしても、インテリオールとしても、やはり気の効く選手です。味方との距離感が抜群で、いて欲しいところにラキティッチがいるといった印象でした。
MFアルトゥーロ・ビダル 6点(後半12分IN)
貴重な決勝ゴールをゲット。ただ、得点後にはビルドアップのミスがあったり、いらないイエローを貰ったり。
手放しで褒められる内容ではありませんでした。
FWアンス・ファティ 5.5点(後半25分IN)
とにかく慎重なプレーしました。仕掛ける場面が一度もなかったのが残念です。
★トピックス
【バルサ】苦肉の策 4-2-3-1
まず驚かされたのはスタメンですよね。メッシ、スアレス、グリーズマン、デンベレを同時起用した4トップのような形。
メッシがトップ下に入って両ウイング+スアレスという形は昨季からありましたが、全て試合途中から、それもリードされた展開に限られていたと記憶しています。
アルトゥール不在だったとはいえ、ビダルやラキティッチもいるのに… バルベルデはこの形で試合をスタートさせました。
そして結果の通り。最下位相手に得点はセットプレーの2点のみ。試合中に4-3-3に戻したかと思えばまた4-2-3-1に戻して。最後までバタバタしていた印象です。
慣れているはずの4-3-3が思った以上にうまくいかない。両サイドバックの質が低い。メッシがイマイチだった。
などなどバルベルデの気持ちや考えも分からないでもありません。それに…。
完全に推測の域を出ないので、あまりこの類の話は好きではないのですが…。こんな試合、スタメンを見ていると、選手選考にもフロントからの圧力が掛かっているのではないかと感じてしまいます。
興行面を考えて4トップは使わざるを得ない。冬に放出濃厚なラキティッチは、ケガをしたら売れなくなるので出しにくい。などなど。あくまでも想像ですけどね。まぁバルサのフロントがクソなのはみなさん承知の事実ですので。ね。笑
【バルサ】バランスが難しい2ボランチ
ブスケツとフレンキーはこの日も守備面で大きな負担を強いられました。いつもは3人で守るスペースを、ほぼ2人で守る必要があったからです。
ご存知の通り、デンベレとグリーズマンはウインガーです(グリーズマンは中央)。サイドハーフの選手ではありません。ピッチの横幅全てをボランチ2枚でカバーするシーンもありました。
レガネスの攻撃は、お世辞にも質が高いとは言えません。単純な技術ミスに助けられた場面も多かった。
それでも失点シーンを振り返ると、デンベレ、グリーズマン、そしてメッシが守備をサボったから奪われたゴールです。ジュニオルとウムティティのポジショニングが悪かったのも事実ですが、攻撃陣4人が守らないしわ寄せが後ろに来ているというのが本質でしょう。
★最後に
まぁ、書きたいことは他にもありますが、この辺にしておきましょう。
ここ最近、悪い部分ばかりに目がいって、ネガティヴな内容が多くなってすいません。
ドルトムント戦、いい形で勝って勝負の12月を迎えたいところですが、どうか。