【マッチレビュー】19〜20シーズン/リーガ第9節/エイバルVSバルセロナ/0-3○

★両チームのスタメン(バルサのベンチメンバー)

両チームのスタメン

★得点(アシスト)と警告・退場

・得点
 前半13分【バルサ】 グリーズマン(ラングレ)
 後半13分【バルサ】 メッシ(グリーズマン)
 後半21分【バルサ】 スアレス(メッシ)

・警告(イエローカード)
 【バルサ】 なし
 【エイバル】 シャルレス,ディオプ,アルバレス,乾,エスポシド(5枚)

・退場者(レッドカード)
 【バルサ】 なし
 【エイバル】 なし

★試合の流れ *得点に関わる場面は赤文字

試合前の段階で、トップチーム所属の全員が出場可能な状態(ケガ人ゼロ)だったバルサ。

出場停止のピケに代わって、右CBには今季初出場のウムティティが入ります。3トップはメッシ、スアレス、グリーズマンのMSG。

ホームのエイバルは4-4-2のフォーメーション。乾はベンチスタートです。

○前半

狭いことでお馴染みにもなりつつあるイプルアのピッチ。メンディリバル監督が率いるエイバルは地の利を生かし、積極的にプレスをかけます。最終ラインも高い。

開始早々チャンスを作ったバルサ。キックオフからボールをつなぐと、ブスケツの縦パスをダイレクトでフリックしたスアレスのパスにメッシが反応します。

右サイドで完全に抜け出したメッシですが、これはオフサイドの判定。ただ、リプレイを見ると完全にオンサイドでした。ビッグチャンスになる可能性が大きかったシーン。ラインズマンは旗を上げずに我慢して欲しかった。

5分もバルサです。

ラングレから縦パスを引き出したスアレス。プレスにきた相手DFを反転(股抜き)で完全にかわすと、ピッチ中央付近からロングシュート。これは枠を外れますが、好調スアレス。キレの良さを見せつけます。うまかった。

12分はエイバル。

左サイドで人数をかけてうまく崩すと、最後はマイナスのクロスに走り込んだペドロ・レオンの左足。このシュートは枠外に外れますが、いい形を作りました。

直後の13分。バルサに先制ゴールが生まれます。

DFラインでボールを回すバルサ。ラングレがボールを持った瞬間、左サイドのグリーズマンが抜群のタイミングで裏へランニングします。不意を突かれた相手右SBは足を取られ、スリップしてしまいました。

完全に抜け出したグリーズマン。相手GKとの一対一を冷静に制してゴール。

エイバルDFの高いラインの裏を狙ったバルサが、効率の良い攻めで先制します。

その後は、狭いピッチでもしっかりボールをつなぎつつ、タイミングが合えば裏を狙うバルサ。守備時は4-4-1-1でコンパクトに守り、ボールを奪うとサイドから早く攻めるエイバルという構図。

31分、メッシが抜け出してGKと一対一になったシーンこそありましたが、それ以外に両チーム大きなチャンスはなく前半が終了します。

オレジャナ、ペドロ・レオンを起点としたエイバルのサイド攻撃は脅威でしたが、バルサはウムティティとラングレの両CB中心に集中して守りきりました。

バルサの1点リードでハーフタイム。

○後半

後半開始と同時に、バルサは右SBの交代。左足を痛めたセルジ・ロベルトに代わってセメドが入ります。

後半も最初のチャンスはバルサ。5分です。

左サイドの崩しから、最後はメッシのスルーパスに反応したスアレス。うまく抜け出してゴールネットを揺らすも、VARの結果オフサイドの判定でした。

セメドの投入で右サイドの守備も安定したバルサ。13分に追加点をゲットします。

中央でアルトゥールの縦パスがカットされたところからスタート。拾ったフレンキーから、ボールはスアレス→グリーズマンとつながり、最後は斜めに走り込んだメッシ。左に流れながら、相手DFの股の間を通してシュートを決めます。

MSGが絡んでのゴール。メッシは2戦連発です。

2点を追いかける展開になったエイバルは、選手交代で1アンカーの4-3-3にチェンジ。攻勢をかけますが、次の得点もバルサでした。

21分。自陣右サイド深くでセメドがボールを奪い返したところから攻撃がスタート。ブスケツ→メッシ→アルトゥール→グリーズマンとテンポよくつながり、グリーズマンからメッシにスルーパスが通ります。

オフサイドトラップに失敗した相手ラインの裏に完全に抜け出したメッシは、並走したスアレスにプレゼントパス。スアレスは難なく右足で流し込んで、3-0とします。

セメドが相手と接触した部分でのファウルを主張したエイバルの選手たちでしたが、判定は変わらずゴール。

切り替えが遅れ、簡単に失点を許した形になりました。

バルサはその後、ビダル、ラキティッチを投入して試合をクローズするモードに。エイバル乾貴士もピッチに立ちましたが、効果的なプレーはありませんでした。

残り10分くらいは諦めモードになったエイバルに対し、バルサDF陣は集中してクリーンシート達成。

リーガ3試合連続の無失点勝利で、勝ち点3を手にしました。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン  7点

久々に仕事が少ない試合でした。しっかり無失点で、ビルドアップも問題なし。

CBウムティティ  7.5点

今季初出場に加え、不慣れな右CB。それでも高いクオリティーを見せてくれました。相手の執拗なクロスボールにも落ち着いて対応。

そしてボールを持つとやはりうまい。パス出しのタイミングや精度が抜群です。安心感もありました。

少し甘めの採点ですが、復活おめでとうとこのまま頑張れの意味を込めての評価です。

*ケガでCLプラハ戦の招集リストから外れました。はぁ…

CBラングレ 7.5点

グリーズマンの先制点をアシスト。守備面でも集中を切らさず、クリーンに守りきりました。

RSBセルジ・ロベルト 6点(後半1分OUT)

前半のみの出場。J・アンヘル、オレジャナのサイドアタックに苦しめられました。メッシサイドの分しんどいでしょうが。攻撃面もボチボチでした。

LSBジョルディ・アルバ 7点

ケガからの復帰戦。状態が良さそうで安心しました。

さすがのビルドアップ能力と守備範囲です。ここまでアシストが少ないのは気がかりですが、グリーズマンとの関係も向上しつつあると感じます。

MFブスケツ 6点

フル出場でしたが、イマイチでした。パス成功率は約86%と悪くなく、ボールタッチもチーム最多の92回。間違いなくビルドアップの起点にはなっていました。

ただ、ミスが多かった。印象の悪いパスミスが多かったですね。

MFフレンキー 8点(後半34分OUT) ★MOM

得点、アシストはありませんでしたが、敢えてMOMに選びました。

豊富な運動量で前後左右に動き回りました。特にこの試合ではメッシの裏のスペースに走り込む動きが多かったです。これはラキティッチが得意としている(意識している)プレーでもあります。

相手のラインが高かったこともありますが、効果的な動きでした。メッシを意識したパス出しやランニングのタイミングも徐々に良くなっていますね。

後半11分、セメドへのスルーパスからボール奪取、そしてスアレスへのラストパス。という一連のプレーはまさにフレンキー劇場でした。

MFアルトゥール 7点(後半26分OUT)

相変わらずのうまさ、強さ、正確さを披露しました。

当たり前の基準、そして我々が要求するプレーの基準も上がりつつありますが、ここ数試合は当然のようにその期待を上回ってくれています。

FWメッシ 8点

2戦連発。徐々に状態が上がっているようで、安心です。まだまだ衰えている雰囲気はありません。

FWグリーズマン 8点

1G1Aと立派な活躍。左ウイングのポジションも板についてきたのか、メッシを気にしつつではありますが、持ち味を出しつつあります。やっぱりうまい。そして守備意識(プレスバック)が素晴らしい。

FWスアレス 8点

最近キレキレですね。昨季終盤から今季序盤戦にかけてのバッシングは完全に消えました。(守備の部分や簡単なボールロストは置いといて)

この日の得点はメッシからのプレゼントですが、攻撃の組み立てでも貢献しました。

○交代出場

SBセメド  7点(後半1分IN)

前半苦しんだ相手左サイドからの攻撃をほぼ完全にシャットアウト。一対一の局面での相手との距離感が絶妙で、簡単にクロスを上げさせませんでした。

MFアルトゥーロ・ビダル 採点不可(後半26分IN)

試合が決まってからの投入。特筆するプレーはありませんでした。

MFラキティッチ 採点不可(後半34分IN)

ビダルと同じで、クローザーとしての働きはしっかりこなしました。

★トピックス

【バルサ】フレンキーの貢献

MOMに選んだフレンキーについて少しだけ。

この試合は特に、高く設定された相手DFライン裏への飛び出しが目立ちました。とても効果的でした。

バルサの右インテリオールというポジションはかなり特殊です。メッシが前方にいるからです。

攻撃ではメッシにスペースを与える動きを意識しながら、狭いスペースで当たり前のようにビルドアップにも参加しないといけない。

守備では右サイドにスライド。相手の左サイドバックに対応しつつ、中央の選手として真ん中のスペースも無視できません。

シャビはその圧倒的な技術で、ラキティッチはダイナミックさと強さで、そのポジションを担ってきました。

そしてフレンキーです。圧倒的な技術を備えつつ、高さ、強さ、走力も持っています。そして、バルサに加入して初めてのシーズンで、その能力をしっかりと発揮しています。まだ22歳。

昨シーズン、アヤックスでの活躍を見ていたので期待はしていましたが、正直ここまでやるとは思いませんでした。

まだ今シーズンはラキティッチが中心になると思っていました。クラブも、ラキティッチ自身もそう感じていたでしょう。

おそるべし、フレンキー。さらなる成長に期待です。

★最後に

守備面も少し安定し、徐々に調子が上がってきたバルサ。マドリー勢の取りこぼしもあり、リーガ首位に立ちました。

まだまだシーズンはここからですが、CLも含め楽しみです。

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