★両チームのスタメン(バルサのベンチメンバー)

★得点(アシスト)と警告・退場
・得点
前半20分【バルサ】スアレス(メッシ)
後半5分【セルタ】スモロフ(ヨクシル)
後半22分【バルサ】スアレス(メッシ)
後半43分【セルタ】アスパス
・警告(イエローカード)
【バルサ】 アルバ,ウムティティ,ブライスワイト,ピケ(4枚)
【セルタ】 B・メンデス,アラウホ,アスパス(3枚)
・退場者(レッドカード)
【バルサ】 なし
【セルタ】 なし
★試合の流れ *得点に関わるシーンは赤字
敵地バライドスでのセルタ戦。この会場ではいつも苦しめられているイメージです。
優勝に向けて勝ち点を落とせないバルサ。前節途中出場で好プレーを見せたプッチとファティが先発に抜擢されます。ピポーテにはラキティッチ、左CBにはウムティティが入ります。
ホームのセルタは前節からスタメン6人を入れ替え。バルサ対策で5バックのシステムを採用してきました。
現地時間16時(日本時間24時)キックオフ。
○前半
開始からバルサがボールを持ち、セルタは5-3-2のブロックを作って守る形。セルタは得意のホームゲームですが、まずはしっかりと割り切って守備から入ってきました。
ラキティッチ、プッチあたりがストレスなくボールを触り、バルサのリズムで試合が進みます。6分にはメッシのコーナーキックにピケが合わせてバー直撃。チャンスを作ります。
先制点は20分でした。ビダルが倒されて獲得したフリーキックから。
壁は4枚。加えてゴール内の2箇所にDFが入る形でプレッシャーをかけるセルタ。するとキッカーのメッシは、ファーサイドにフリーでいたスアレスに意表を突いたクロスを入れ、それをスアレスが頭で合わせてゴールを決めます。
驚きました。

メッシです。相手はもちろん、味方ですらこれは予想外だったのでは?
どれだけ相手に対策されても、さらにその上をいきサッカーを進化させる存在。やっぱりこれがメッシなんだなぁって嬉しくなるゴールでした。反応してしっかり決めたスアレスもさすがです。この2人でないと実現しないであろう得点ですね。
(用意されたプレーだとしたらそれもそれですごい)
さて、試合に戻ります。22分にはテアのパスミスから、24分にはデニス・スアレスの斜めのスルーパスからセルタがビックチャンスを迎えますが、バルサはなんとか難を逃れます。
前半はこのまま終了。プッチがよくボールを触り、ボール支配率はほぼ80%。久々に見たかったバルサが見られた45分間でした。
○ハーフタイム
両チーム、ハーフタイムでの交代はありません。
○後半
ビハインドのセルタが守備から仕掛けてきます。前半はテアと両CBに対してはほぼノープレッシャーでしたが、状況によっては同数でプレスをかけ、バルサに対して圧力をかけます。
それが実った5分。
ラキティッチの横パスをピッチ中央で引っ掛けたブライス・メンデスからです。拾ったアスパスが裏に抜けたヨクシルにスルーパスを通し、最後は並走したフリーのスモロフが決めてゴールゲット。
ピケは1対2の状況でうまく対応しましたが、最後は我慢しきれず股を通されました。何よりウムティティの軽率な飛び出し。前で潰したい気持ちはわかりますが、危険なスペースを丸々空けてしまいました。ラキティッチのパスも勿体なかった。
これで同点。
15分にはセルタが3枚替えでラフィーニャ、ブラダリッチ、ノリートを投入。低い位置からのポゼッションでボール支配を高め、完全にペースを握ります。明らかにメッシがいるバルサの右サイドからボールを回していたのも印象的でした。
プッチやファティも全くボールを触れず先行きが怪しくなってきた22分、またスアレスが決めます。
右サイドからの攻撃です。一度はボールを奪われますが、上がっていたセメドが相手にプレッシャーをかけて高い位置でボール奪取。メッシがダイレクトでスアレスに送ると、スアレスは相手を背負いながらボールを触らず反転し、左足トーキックシュートでネットを揺らします。
これぞスアレスという得点でした。バルサが2-1と再びリードします。
セルタがバランスを崩してボールを奪いにくる展開。相手をいなしてゲームを支配して欲しい時間帯になりますが、バルサはボールを持てず防戦一方に。
反対にセルタはラフィーニャあたりが難しい状況でもしっかりボールを受け、前進させて何度もチャンスを作ります。
43分です。ラフィーニャが倒されて獲得したフリーキック。キッカーのアスパスは壁の外側から巻く弾道の低いシュートを決めて同点とします。テアは全く反応できませんでした。
壁の一番外側に立っていたグリーズマンに対し、「飛び方が悪かった」と批判が集まっています。ただ、僕はそれはちょっと可哀想だと思ってます。
ハイライトを見て頂ければ分かりますが、グリーズマンはテアの指示にしっかり従い、壁に立ちました。シュートの瞬間、体を背けてしまったのは頂けないですが、どちらにしてもあのボールに触ることはできていません。
テアの壁の作り方が少し甘かったように思います。右利きのデニス・スアレスもボール前にいましたが、もう1人分外側に壁を作るくらいで良かったと感じます。
これで同点。残りはロスタイムの5分のみ。
優勝に向けて取りこぼしが許されないバルサはピケを前線に上げてパワープレーを仕掛けますが、中途半端。逆に、50分にはセルタにビッグチャンスを作られてしまい、勝ち点1でも御の字という試合になりました。
2-2で終了のホイッスル。後半は試合内容でも圧倒された寂しい引き分けで優勝争いから一歩後退となりました。
セルタ、攻撃のタレントが揃いすぎている敵ながらアッパレなチームでした。特にラフィーニャ。うますぎ。彼のプレー、本当に大好きです。レンタル明けたらちゃんと戻ってきてくれるかな。
★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)
GKテア・シュテーゲン 6点
久しぶりの失点です。珍しくパスミスでピンチを招いたり、上でも少し触れましたが2失点目の壁の作り方が甘かったり。
もちろん、いつも通り素晴らしいセーブもたくさんありました。後半、メッシへのロングパスも凄かったです。
CBピケ 6.5点
1失点目の場面、うまく対応してスピードを落とさせたんですけど最後に足を広げて股を抜かれてしまいました。あそこは我慢して欲しかった。
それでも総合的に見て良いパフォーマンスだったとは思います。前半43分、アスパスに裏抜けされたシーンの対処も素晴らしかったです。
CBウムティティ 4.5点
やっぱりちょっと厳しいですね。1失点目はなぜあんなに前に飛び出してスペースを開けてしまったのか。数年前はそういった判断力も含めて世界屈指のCBだったのに。
現状、ラングレどころかBチームのアラウホを出した方がマシな気すらします。
RSBセメド 6点
安定感のあるプレーでした。
LSBジョルディ・アルバ 6点(後半36分OUT)
無難なプレーぶりでした。
MFラキティッチ 6点
失点につながるあのパスさえ無ければ。それくらい勿体ない1本でした。ブスケツも縦パスを引っ掛けることはよくありますが、あの位置で横パスをかっさらわれるのは滅多に見ません。軽率と言われても仕方ありません。
総合的に見ればピポーテとしてじゅうぶんの働きでした。それだけに。
MFアルトゥーロ・ビダル 5.5点
メッシ、スアレスを気遣うあまりに思い切りの良さが影を潜めています。もっと得意なプレーをして欲しい。
MFリキ・プッチ 6.5点(後半41分OUT)
前半は特に良かったですね。相手が引いて守ってくれたので、前を向いてリズムよくプレーできました。局面を打開する個人技もやはり高レベル。
ただ後半、特に2-1になってからはチーム全体が相手の圧力を受けたときにボールを落ち着けたり、味方を助けたりはできませんでした。
それでも、スタメンで試合に出られるくらいのパフォーマンスはしっかり見せてくれたと思います。守備面でも頑張ってました。もちろん改善点はあります。
FWメッシ 6点
2アシスト。圧倒的なプレーをする場面もあれば、「メッシならこれは絶対決めるだろう」というシュートを外したりしました。
攻守のバランスで見ると甘めで見て及第点レベルでした。
FWアンス・ファティ 6点(後半23分OUT)
後半は消えちゃいましたが、前半は果敢に仕掛けて攻撃に深みを作り攻撃にリズムをもたらしました。17歳とは思えない落ち着きと安定感です。ファティにしてもやっぱりスタメンで見たい選手です。
FWスアレス 6.5点(後半36分OUT)
何を言っても、スアレスにはやっぱりこれがあるんですよ(n回目)。彼のキャリアやメッシとの関係性を見ると、僕が監督でもこの選手はベンチに置いとくのは難しい。
○交代出場
FWブライスワイト 5点(後半23分IN)
不用意にカードをもらったり。見せ場も作れませんでした。
DFジュニオル 採点不可(後半36分IN)
無理やり2人をかわして突破したシーンは良さが出ましたね。
FWグリーズマン 採点不可(後半36分IN)
ベンチスタート。FKでの失点シーン、飛び方が悪いと批判を受けたり、もう流れが最悪ですよね。個人的には壁の作り方に問題があったと思うんですが。それも含めて流れが悪い。
次の古巣対戦、まずは出番があるかどうか。
MFアルトゥール 10点(後半41分IN)
10点満点。こんな状況で試合に出場してくれてありがとう。
★トピックス
【バルサ】躍動したプッチ、防戦一方の後半
前半躍動したプッチですが、圧力をかけられた後半はチームの出来とともに存在感を薄めました。守備面では単独でプレスをかけたり頑張って走っていましたが、どこか空回りしていた印象。
ただこの守備面は、試合をこなすとともに改善されるでしょう。そう思っています。問題はそれより、後半ボールをあまりさわれなかったこと。
この試合、バルサのボール支配率は前半79%、後半56%。内容も含めて、同じ試合とは思えません。
バルベルデ体制の時からの悪癖である、「前半でリードを奪う」「メッシスアレスの前残り」という要素に加えて中盤、DFラインのプレス耐性の低さが露わになりました。
こんな時、アルトゥールのように低い位置で難しい体勢でもしっかりボールを受けて、落ち着かせてくれる存在が必要です。そのアルトゥールはユベントスへの移籍がほぼ確定、もうすぐ公式発表が出ます。
どうすれば良いのか。スアレス不在で迎えたセティエン体制の初陣では、ライン間の距離感が良く低い位置からのビルドアップもスムーズでした。この時のフォーメーションは3-5-2。メッシとツートップを組んだグリーズマンもしっかりとポゼッションの助けに入り、攻撃の前進を手伝いました。
ただスアレスが復帰した今、もうこの形を作るのは不可能です。メッシとスアレスは前線でボールを待ち、他の9人が頑張って守るのをただただ見ているだけ。スアレスはこの試合でタイミングよく(悪く)2ゴールと結果を残し、神様メッシとともに再びアンタッチャブルな存在になりました。
また振り出しに戻りましたね。監督がかわっても、結局はこのままなのか。難しいです。本当に。
★最後に
最後はなんだかネガティブなことばかり書いてしまいました。すみません。
ただそんな中でも、前半輝くプレーを見せたプッチとファティは光です。クソみたいなフロントに色々言いたいですが、それはもうTwitterで皆さんが言ってくれているので全てです。
アトレティコ戦、どんな試合になるかなぁ。
ちなみに皮肉を込めたスタメン予想です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。