★スタメン GKテア・シュテーゲン DF3枚は右からトディボ、ムリージョ、ウムティティ 右ウイングバックにワゲ、左ウイングバックにマウコム 中盤はピポーテにアルトゥーロ・ビダル、右インテリオールにアレニャー、左にリキ・プッチ 2トップにデンベレ、ボアテング

○ベンチ シレッセン ラングレ ジョルディ・アルバ セメド アルトゥール コウチーニョ アベル・ルイス
★試合の流れ
大幅なターンオーバーを採用して挑みます。フォーメーションも、いつもの4-3-3、4-4-2ではなく3-5-2。バルベルデはメンバーありきでシステムを組んできました。ベンチ入りしたラングレ、アルバ、セメド、アルトゥール、コウチーニョも温存です。クレ歓喜!笑
スタメンの平均年齢は約24歳とフレッシュ。バルサBのリキ・プッチ、ワゲもスタメンです。トディボ、ワゲにとってはトップチームデビュー戦(スーペルコパ・カタルーニャは除く)。プッチもリーガは初出場。ムリージョにとってもバルサでのリーガデビュー戦となります。テア・シュテーゲンがキャプテンマークを巻きます。
ウエスカのフォーメーションは4-3-3。バルサに対して“しっかり人(局面)がハマる”システムを組んできました。ゴールキックなどでは前からプレスをかけてきます。
○前半
乾燥した芝生でボールが走らないピッチ状況。ヤングバルサはボールこそ持てるものの、なかなか迫力のある攻撃を仕掛けることができません。そんな中、まず違いを見せたのはクレのアイドル、リキ・プッチです。
16分、左サイドからの攻撃です。マウコムから横パスを受けたプッチは右サイドへパスを出すと見せかけて、ノールックでデンベレへスルーパス。完全に抜け出したデンベレですが、右足シュートは相手GKにセーブされます。
その攻撃で得た右コーナーキック。ムリージョが高い打点で合わせますが、これもウエスカGKサンタマリアがなんとか弾き出し、難を逃れます。
その後は慣れないフォーメーション、メンバー、そしてピッチに苦戦するバルサ。特に大きなチャンスを作れず、前半を終えます。ウエスカも守備では頑張っていましたが、攻撃の質はかなり低かったですね。
○後半
両チーム、ハーフタイムでのメンバー交代はありません。
6分、ウエスカはこの試合最大にして唯一のチャンス。左サイドからのクロスをフアンピが頭で折り返し、中央にいたガジェゴへ。ただこれはテア・シュテーゲンが素晴らしい飛び出しで先にボールを触り、得点を許しません。
続いてはバルサ。12分、コーナーキックの流れから、キッカーだったマウコムが左サイドフリーでボールを受けてニアサイドに強烈なシュート。GKは一歩も動けませんでしたが、ボールはポストを叩きます。こぼれ球に反応したアレニャーのシュートも相手にブロックされます。
デンベレを中心に相手を徐々に押し込むバルサですが、得点は奪えません。
22分、ケガ明けのデンベレ、そしてプッチがお役御免。アルバとコウチーニョが投入されます。これで少しは流れが変わるかと思いましたが、その後も試合は全く動かず。
ウエスカの質の低さ、スローペースなバルサ。お互いがお互いの足を引っ張り合った形で、後半残り30分ほどは本当に何も起こりませんでした。個人でワクワクするプレーを見せてくれた選手も見当たらない。そんな感じで試合終了です。
★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)
GKテア・シュテーゲン 7点
ほとんど出番はありませんでしたが、キャプテンとして若いチームを引っ張りました。とにかくケガがなくてよかった。
CBトディボ 6点
上々のトップチームデビュー。粗さはありますが、高さ、強さなどポテンシャルは十分です。ジェリー・ミナと同じようなタイプですが、個人的にはトディボの方が好みです。
CBムリージョ 4.5点
評価が難しい。そこまで悪くはなかったかもしれませんが、ボールの持ち方や動きのギコさを見ているとバルサでやっていける選手には見えません。今季限りで放出になるでしょう。
CBウムティティ 6.5点
体のキレはまだまだですが、やはり格の違う選手です。今季残りはラングレより序列は低いままでしょうが、来季巻き返してくれるか。とにかくバルサに残って欲しいです。
RWBワゲ 6点
この人も悪くないデビューでした。守備面、ボール扱いはまだまだですが、攻撃時のポジショニング(感覚)やスピードは良いものを持っています。それでも来季のトップ昇格は厳しいでしょうね。当たり前ですが、セメドやセルジ・ロベルトには遠く及びません。
LWBマウコム 5点
慣れないポジションということを配慮しても、イマイチでした。後半のチャンスを決めていれば。やはり右サイドの方がフィットするでしょう。デンベレの復帰でまた出場機会が限られてきそうです。
MFアルトゥーロ・ビダル 7点 ★MOM
私みたいな素人は、ビダルのような一流ベテラン選手がこの試合にモチベーションを持って挑めるのか。そんな事を考えていたのですが、杞憂に終わりました。キックオフからタイムアップまで誰より全力プレー。頭が上がりません。守備面はもちろん、ボールを持ったプレーでも違いを見せました。本当に良いサッカー選手です。
MFアレニャー 5点(後半36分OUT)
意気込みが空回りしてしまいました。狭いスペースでのプレーが多かったのもありますが、ボールロストが多かった。“やってやろう!”という気持ちは見えたんですけどね。このような試合でアピールできないと、CLのような大事な試合で出場機会を得るのは難しくなります。
MFリキ・プッチ 6点(後半22分OUT)
断片的にですが、キラリと輝くプレーを見せてくれました。特にデンベレに出したスルーパス。あれは誰でも出せる(見えている)パスではありません。クレが彼の将来を期待する理由は示せた。そんなプレーぶりでした。DAZN解説の岩本さんはあまり分かっていないようですが。
FWデンベレ 6.5点(後半22分OUT)
スピードやキレはぼちぼち戻っている。安心しました。相変わらずパスミスは多かったですが、この試合で唯一得点の匂いを感じさせる選手でした。間違いなく、ユナイテッド戦でも出場機会は訪れるでしょう。
FWボアテング 3点
さすがに厳しいですね。バルサでプレーできる選手ではありません。これがバルサでのラストマッチになってしまいそうです。
○交代出場
MFコウチーニョ 5点(後半22分IN)
厳しい言い方をすると、現段階で1軍半扱いのコウチーニョにはこの試合でも必死にプレーして欲しかった。加入した時の移籍金なんて関係ないんです。デンベレは帰ってきました。アピールが必要なはずです。ユナイテッド戦はもちろん、来季に向けても不安です。
LWBジョルディ・アルバ 5点(後半22分IN)
コウチーニョの5点(採点)とは意味が違います。この試合では特に何もしませんでしたが、一応バランスをとって、そして無理せずプレーしました。バルベルデがアルバを投入した(しかもフォーメーションを変えなかった)理由は不明ですが、唯一のミッションだった“ケガをしない”はしっかり達成しました。
MFアルトゥール 採点不可(後半36分IN)
あまり言うことはありません。ケガをしないでよかった。ユナイテッド戦、よろしくお願いします。
★トピックス
・【バルサ】合格点はトディボ、ワゲ、プッチ ムリージョとボアテングは落第
バルベルデの構想に入っているテア、ウムティティ、ビダル、マウコム、アレニャー、デンベレは除きます。
それ以外では、トディボ、ワゲ、プッチは合格点。冬加入(レンタル)組のムリージョ、ボアテングは完全に落第でした。
それぞれの理由は上の選手採点に書いたので省略しますが、冬加入の2人は間違いなく今季限りでしょう。
・【バルサ】楽しみなリキ・プッチ トップ選手との共演が見たい
リキ・プッチに関してもう少しだけ。フィジカル面ではやはり厳しいです。それは理解した上で言いますが、バルサのトップでも間違いなくやっていける選手です。断言します。
私がこれまで見てきたカンテラ出身の中盤選手と言えば、チアゴ・アルカンタラくらいから始まり、ジョナタン・ドス・サントス、セルジ・ロベルト、ラフィーニャ、デニス・スアレス、アレニャーくらいですかね。ある程度トップチームで出番を貰った選手に限定しています。順番もてきとうです。抜けがあったらすいません。
上記したメンバーの中では、プッチは間違いなくNo. 1です。ボールタッチ、テンポを作り出すパス・ドリブル、ポジショニング、そして局面を変えられる一本のパス。
この試合のメンバー、ピッチ状況を考えると、かなり良くやりました。バルサBの試合はほとんど見ていませんが、たぶん毎試合このくらいは当たり前にできる選手です。
ブスケツ、ラキティッチと中盤を組んだら。メッシ、スアレスが近くにいれば。ワクワクが止まりません。来季からはデ・ヨングの加入も決まっているインテリオールは最も競争の高いポジションです。それでも、挑んで欲しい。レンタルにも出して欲しくない。期待しています。

★最後に
アウェーで0-0の勝ち点1は、十分な結果です。バルベルデの決断には拍手を送りたい。楽しみな選手も見られましたし、デンベレの復帰も確認できました。
ここからはCLです。リフレッシュした主力メンバーが、カンプ・ノウの舞台でどんなプレーを見せてくれるか。国王杯セビージャ戦2ndレグ、CLリヨン戦2ndレグのような、開始から圧倒的なサッカーを見せて欲しい。
楽しみにしましょう!!