【マッチレビュー】18〜19シーズン/リーガ第27節/バルセロナVSラージョ・バジェカーノ/3−1

スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセメド、ピケ、ウムティティ、ジョルディ・アルバ  中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにアルトゥール、左にアルトゥーロ・ビダル  3トップは右からメッシ、スアレス、コウチーニョ

両チームのスタメン

ベンチ シレッセン ムリージョ セルジ・ロベルト ラキティッチ アレニャー デンベレ マウコム

★試合の流れ

バルサはラキティッチ、セルジ・ロベルト、デンベレがベンチスタート(ラングレは出場停止)。ただ大幅なローテーションはせずに挑みました。アウェーのラージョは縦横コンパクトな5-4-1で粘り強く守る戦いを選択。チーム得点王ラウル・デ・トマスの一発にかけます。

○前半

図2

早速ですがラージョの守備陣形(図2)。上にも書きましたが、縦横とてもコンパクトに(極端なくらい)守っていました。5バックはだいたいペナ幅くらい。中盤4枚はそれよりも狭かった。“人に対して守るのではなく、自分の持ち場を守る守備”をしていました。それぞれが守っていたエリアを黒丸で表しています。(だいたいですが)

バルサはエンジンがかかるまでに少し時間はかかりましたが、ボールを完全にキープ。両サイドバックの裏のスペースをうまく使いつつ攻め込みます。ネガトラ(攻→守)も早かった。ただ、ラストパスが引っかかり決定機は作れません。

23分、中央でボールを持ったブスケツから裏に抜け出したメッシへ浮き玉のスルーパス。メッシは頭で合わせますが、相手GKにセーブされます。
その直後には、高い位置でボールを奪ったコウチーニョからビダル→メッシ→コウチーニョとボールがつながり、コウチーニョがペナルティーエリア内でシュートを放ちますが、うまく足に当たりません。

少しずつスピード感を上げて攻め込むバルサ。ただ、先制点を奪ったのはラージョでした。

24分、高い位置でビダルがトラップミスをしてボールを失うと、1トップのデ・トマスにボールをつながれます。ピケ、セメドが2人で対応しましたが、デ・トマスはうまくボールを運びながら右足でシュートを打てる位置まで前進。セメドが一瞬コースを空けてしまうと、見事なコントロールシュートを叩き込まれてしまいます。

バルサはボールを失ってからパス2本と個人技で失点してしまいました。
ラージョは狙い通りの先制点。デ・トマスはこれで今季11得点目。決定力の高い選手です。

暗雲立ち込めるバルサ。救ったのはピケでした。

38分、右サイド深くからのフリーキック。ピケはメッシのクロスにドンピシャのタイミングで走り込み、GKの前で先に頭で合わせました。

これで同点。何より前半のうちに追いつけたのは良かったです。

1-1で前半を折り返します。

○後半

バルサはハーフタイムで選手交代。まずまずのプレーをしていたアルトゥールに替えデンベレを投入します。フォーメーションも4-4-2に変更しました(図3↓↓)。

図3

5分、デンベレから裏に抜け出したセメドにパスが通ります。ペナルティーエリア内に侵入すると、ターンした際にアマトに足を引っ掛けられてPKを獲得します。

このPKをメッシが落ち着いて決めて逆転。後半早い時間でリードを奪いました。(得点は6分)

この後はずっとバルサの時間帯。ラージョはアマト→ポソの交代で、残り25分は前からプレスを掛けてきますが機能せず。バルサは追加点こそ奪えませんが、素早い切り替えで相手を自陣に閉じ込めることに成功します。

37分、途中出場のラキティッチ→スアレス→デンベレ→スアレス→ラキティッチと、自陣から見事にボールがつながり最後はスアレスが余裕のゴール。試合を決定づけます。

この3点目でラージョは完全に諦めモードに。最後はブスケツを交代させて試合終了。先制点を取られた時は少しヒヤッとしましたが、結果的には快勝でした。

主力のコンディションも良さそうで安心しました。

メッシは前半が終わる時にしきりに足を気にしている仕草を見せていたので心配しましたが、後半のプレーを見ていると大丈夫そう。デンベレのケガについてはトピックスで触れます。

○選手評価に移る前にラージョについて一つだけ

この試合、しっかりと組織した守備で守り先制するところまでは完璧だったのですが、結果的には1-3で負けてしまいました。特に失点の仕方が気になりました。

1.2失点目はアマトのファールがキッカケでした。しかも、全く必要の無いファール。どちらも守備の人数が揃っている状況でした。下位に低迷する理由はこの辺りなのでしょう。べべ、イムビラなど中盤にはボールを持てる選手がいますし、ラウル・デ・トマスというスコアラーもいます。客観的に見て10位以上を目指せる陣容かと思いました。

ラージョの試合はほとんど見ていませんし、個人的な思い入れがあるチームではありませんが、少し心配になったので。長々とすいません。

バルサ選手の評価に移ります。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン 6点

失点シーンは良いシュートでしたが、セメド、ピケがコースを切っていたのでなんとか止めて欲しかった気がしないこともない。という感じでした(小声)。 それ以外はほぼ仕事無し。

CBピケ 7

失点シーンの対応は良くなかったですが、前半のうちにゴールで取り返しました。前への強さ、出足などは抜群で引き続きコンディションが良さそう。

CBウムティティ 6.5点

仕事量は少なかったですが、インターセプトの狙いを見ていると試合感が戻ってきている印象。心強い。

RSBセメド 7点

逆転ゴールのキッカケとなるPKを獲得。前半はおとなしめのプレーでしたが、デンベレとコンビを組んだ後半は素晴らしいプレーを披露しました。最後まで走り切った運動量も良かった。

LSBジョルディ・アルバ 6.5点

得点に絡むプレーはありませんでしたが、素早いプレッシャー、裏のスペースを埋めるランニングなど守備面で大きく貢献しました。

MFブスケツ 6.5点(後半40分OUT)

いつも通り。安定したプレーと的確なポジショニングでチームを支えました。

MFアルトゥーロ・ビダル 8点 ★MOM

走り続け、戦い続けました。そしてボールを持っても安定したプレーを披露。95本のパスを通し、11回のデュエルに勝利しました。バルベルデがリヨン戦のメンバー選考に頭を悩ませる出来でした。

MFアルトゥール 6点(後半1分OUT)

悪くないプレーでしたが、戦術的理由で前半のみの出場となりました。少し中央寄りにプレーし過ぎていたかも。この悔しさはリヨン戦で晴らしてもらいましょう。

FWメッシ 7.5点

ドリブル、パスが引っかかる場面も多かったですが、しっかり1G1A。コンディションも悪くなさそう。ケガも大丈夫でしょう。

FWコウチーニョ 4.5点(後半35分OUT)

正念場です(毎試合言っている気がしますが)。悪くないプレーもあるのですが継続性が無い。明らかに自信無くプレーしています。

FWスアレス 6.5点

ラキティッチとのコンビネーションでチーム3点目を記録。体のキレも戻ってきている印象です。最近苦手としているCLで活躍できるか。

○交代出場

FWデンベレ 7点(後半1分IN)

セメドへのスルーパスでPKを誘発。出場してわずか5分で決定的な仕事をしました。3点目のゴールでも起点に。どの程度のケガなのか…。

MFラキティッチ 7点(後半35分IN)

スアレスのゴールをアシストしました。やはり別格。改めて、“ラキティッチってすごいんだなぁ”。そんな感じでしたよね。良い調整になったのではないでしょうか。

FWマウコム 採点不可(後半40分IN)

ブスケツを休ませるために出場しました。

★トピックス

・リヨン戦に向けて

クラシコ2連戦を含む苦しいアウェー4連戦を終えてのゲーム。1週間空きました(ジローナ戦は置いといて)が、主力選手たちの動きはまずまずでした。もっとローテーションしてメッシなどを休ませて欲しかった!という声もあると思いますが、10日ゲームが空くと反対に試合感の部分で不安もある。そういう意味では、いろいろな要素を踏まえた結果のメンバー選考だったのではないかと思います。

メッシは元気そうで、スアレスにもキレが戻ってきました。ブスケツ、ラキティッチの2人も調子が良さそうで、ビダルも猛烈にアピール。DFラインもセメド、セルジ・ロベルト、ピケ、ラングレ、ウムティティと層が厚い。アルバは1人で大変ですが。

そういった意味で、この試合は良かったと思います。しっかり勝ち点3も獲得しましたしね。

・デンベレのケガの具合は?

心配なのはデンベレです。左足太ももの負傷。“リヨン戦出場の可否は回復次第”というメディカルの発表から、重症でないことは確実ですが…。大事な一戦で彼がいないのは痛い。シーズンはまだ続くので無理をする必要はありませんが、多少痛みはあってもベンチには入れておきたいところです。

バルサのメディカルスタッフは優秀なので、期待しましょう。アルトゥール、シレッセンも予想より早く復帰しましたしね。

・コウチーニョ…

となると、リヨン戦はコウチーニョのスタメンが濃厚。うーん…。何が原因なのか。不調にしては期間が長すぎる。元々の実力は間違いないので、一時的なものだと思いたいのですが。

攻撃での積極的なミス、例えば得意のコースからシュートを打って枠を外す。フリーのメッシやスアレスから怒られる。みたいなミスなら全然良いんですけど、それも無い。横パスが多く、どこか遠慮している。アルバもうまく使えていません。

この試合では交代の際にカンプ・ノウからブーイングも聞こえました。クレの我慢も限界です。デンベレは出場から5分で違いを見せました。(セメドへのスルーパス) リヨン戦、たとえ勝ったとしてもプレーが悪かったら風当たりは更に強くなるでしょう。

ピケはコウチーニョを擁護するコメントを出していますが、移籍を希望しているという報道も出てきました。大事な大事なリヨン戦。さあコウチーニョ、見せてくれ。

★最後に

いよいよです。CLリヨン戦2ndレグ。リーガ、国王杯では順調な戦いをしていますが、もしこの試合で負けるようなことがあれば完全に失敗のシーズン扱いです。

注目はスタメン。テア、ピケ、アルバ、ブスケツ、ラキティッチ、メッシ、スアレスは決まり。残り4枠をセルジ・ロベルト、セメド、ラングレ、ウムティティ、アルトゥール、ビダル、コウチーニョの7人が争う形かと思います。デンベレのスタメンは恐らく無いでしょう。

基本は4-3-3だと思いますが、ラージョ戦では4-4-2も機能した。バルベルデはギリギリまで頭を悩ませることになりそうです。

マドリー、PSG、ローマは逆転で敗退しました。リヨンは難敵。バルサは100%の状態で、開始から全力で戦う必要がある。エンジン全開のバルサ、メッシを見られると思うと楽しみで仕方ないです。ホーム、カンプ・ノウの後押しもあります。私たちは画面越しですが、全力で応援しましょう!

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