スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ 中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにラキティッチ、左にアルトゥール 3トップは右からメッシ、スアレス、コウチーニョ

ベンチ イニャキ・ペーニャ ウムティティ セルジ・ロベルト アルトゥーロ・ビダル アレニャー マウコム ボアテング
★試合の流れ
しっかり勝って優勝に近づきたいバルサはほぼベストメンバーを起用。右サイドバックはセメド、左ウイングはコウチーニョです。ケガ明けのメッシ、スアレスもスタメン。
アウェーのエスパニョールは5-3-2、状況によってはメレンドが右サイドまで下がる5-4-1のフォーメーション。超守備的な布陣でとにかく失点しない戦いを選択しました。
○前半
開始から押し込むバルサ、引いてコンパクトに守るエスパニョールの構図。エスパニョールの5バックはペナ幅、中央3枚は完全にボールサイドに寄って守ります。バルサはなかなか攻撃のリズムを作れません。
最初のチャンスは21分。ロングカウンターからメッシ、スアレスとボールがつながり、最後は長い距離を走ってきたラキティッチが中央から鋭い弾道のシュート。これはわずかに枠を外れます。
23分には左サイドの攻撃からペナルティエリア内にいたスアレスが左足シュートを放ちますが、これも枠を外してしまいます。
31分は右サイドのフリーキックから前半最大の決定機。メッシがゴールに向かう早いクロスを蹴りこむと、ヴィクトル・サンチェスのクリアミスがゴールに向かいます。ただ、これはGKディエゴ・ロペスが右手一本で弾き出してセーブ。
バルサはその後もボールはキープできますが、相手の守備に苦しめられて前半を無得点で終えます。
アウトオブプレーの時間が長かったファーストハーフ。選手にとっても、ファンにとってもストレスの多い内容でした。さすがエスパニョール。嫌らしい戦いをしてきます。
○後半
両チーム、ハーフタイムでの交代はありません。
後半もリズムが上がらないバルサ。やはり代表ウィーク明けは難しい。それでもエスパニョールの守備陣(特に中盤3枚)は運動量が多くなり、ジャブのように消耗していました。
バルベルデは状況を打破するため、14分、アルトゥールに代えてマウコム、セメドに代えてセルジ・ロベルトを投入。コウチーニョが左インテリオール、マウコムが左ウイングに入ります。
ここから左サイドの攻撃が活性化します。18分、高い位置でボールを奪うとコウチーニョからマウコムへのスルーパス。抜け出したマウコムのシュートは枠に飛びましたが、これもディエゴ・ロペスがナイスセーブ。
そして、あの男がゴールをこじ開けます。26分、ゴールまで18mの超近距離フリーキック。もちろんキッカーはメッシ。自身のドリブルから獲得したチャンスです。相手の壁は8枚。GKディエゴ・ロペスは壁側(ニア)を完全に捨てて、フォア寄りに立ち位置をとりました。近すぎて逆に難しいフリーキック。
メッシの選択はフワッとしたパネンカ(ループ)キックでした。ヴィクトル・サンチェスが必死に戻り頭で触りますが、クリアできず。見事なフリーキックでバルサが待望の先制点を獲得します。
37分、コウチーニョに代えビダルを投入。ボールを支配しつつ、守備の強度は下げず危なげなく試合を進めます。
44分に仕上げ。テア・シュテーゲンのハンドパスからラキティッチ→メッシ→ラキティッチ→マウコムとボールをつなぎ、最後は走り込んだメッシが左足で流し込んで勝負あり。
代表ウィーク直後、苦しんだダービーでしたがしっかり勝利です。アトレティコとマドリーも勝利したため、結果的には意味のある勝ち点3でした。優勝にまた一歩、近づきました。
★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)
GKテア・シュテーゲン 6点
ヒヤッとするキックミスもありましたが、それ以外は問題なし。2点目の起点にもなりました。
CBピケ 7点
相変わらずの安定感。休ませて欲しい気持ちもありますが、ここまでリーガフル出場中です。シーズンフル出場を目指すでしょう。イエローカードをもらわないクリーンさもさすがです。
CBラングレ 7.5点
サイドからのクロスに対する対応が素晴らしかった。ウムティティとの競争でも1歩、2歩リードしています。
RSBセメド 6.5点(後半14分OUT)
スピード、技術、強さ。ポテンシャルは示しましたが、得点が欲しい展開で戦術的交代です。やはり序列はセルジ・ロベルトの下か。
LSBジョルディ・アルバ 6.5点
アシストペースは落ちましたが、チームへの貢献は変わりません。とにかくコンディションです。次のビジャレアル戦は招集メンバーから外しても良い気がします。
MFブスケツ 6.5点
ストレスの少ない90分。攻守で的確なポジショニングはいつも通りでした。
MFラキティッチ 8点
134回のボールタッチ、97本のパスを成功させました。運動量も抜群。2点目のシーンではテアからの難しいボールをうまくコントロールし、得点につなげました。改めて言いますが、私は今季終了後のラキティッチ放出は反対です。
MFアルトゥール 5.5点(後半14分OUT)
代表戦の疲れか、珍しく精彩を欠きました。やはり相手に引いて守られた時の工夫、バイタルエリアでの質はイニエスタ先輩には及ばない。ただ、まだこれからの選手です。どんどん経験して、さらにレベルアップしてもらいましょう。
FWメッシ 8.5点 ★MOM
苦しい試合は結局メッシです。フリーキックのひらめき、2点目の決定力。その他のシーンでもチャンスメイクからフィニッシュまで、全ての攻撃がメッシを経由して行われました。ありがとうございました。
FWコウチーニョ 6.5点(後半37分OUT)
悪くなかったんじゃないでしょうか。ボールタッチにはキレがあり、インテリオールにポジションを移してからは特に攻撃面での違いを見せました。ただ、まだまだアピールが必要な立場です。
FWスアレス 5点
この試合ではほとんど存在感なし。でも大丈夫です。既に試合に出られる状況だという事実で100点。ユナイテッド戦までに100%の状態にして下さい。
○交代出場
DFセルジ・ロベルト 6点(後半14分IN)
積極的に試合に入り、意欲的なプレーを見せました。出来はまずまず。
FWマウコム 7点(後半14分IN)
チャンスを生かしました。果敢に仕掛けて攻撃を活性化。最後はアシストを記録しました。バルサの攻撃陣で生き残るために必須な“メッシへのアシスト”。1アシスト以上の価値があります。持っている男です。
MFアルトゥーロ・ビダル 採点不可(後半37分IN)
しっかり試合を締めてくれました。
★トピックス
・ポゼッション率70%
パス本数は688対300、ポゼッション率は69.8%対30.2%でした。相手の守備的な布陣に攻撃はなかなかリズムを作れませんでしたが、スタッツでは圧倒。特に守備では相手に全くチャンスを作られずに、しっかりと無失点で勝利しました。
・難しい代表ウィーク明け さすがのラキティッチ
代表戦直後の試合はやはり難しい。コンディションにもばらつきがあった印象でした。メッシは別にして、ラキティッチはやはりすごい。運動量、走りの質、技術。クロアチア代表で2試合フル出場した31歳とは思えません。
来季はデ・ヨングが加入しますが、改めて彼の放出には絶対に反対です。
・大事な勝ち点3
ダントツの首位ですが、やはりホームで下位相手に取りこぼしは避けたかったところ。2位アトレティコ、3位マドリーがともに勝利したこともあって、結果的にこの試合の勝ち点3獲得は大きな意味がありました。
★最後に
中2日(日本時間火曜深夜)でアウェーのビジャレアル戦です。その次は中3日でアトレティコ。是非とも、ここは大幅なローテーションを組んで欲しい。メッシ、スアレス、ラキティッチ、ブスケツ、アルバあたりは招集外にしても良いと思います。
正直、この試合に関しては負けたって構わない。バルベルデはどう判断するでしょうか。