【マッチレビュー】18〜19シーズン/リーガ第23節/アスレティック・ビルバオVSバルセロナ/0−0

スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセルジ・ロベルト、ピケ、ラングレ、セメド 中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにラキティッチ、左にアルトゥーロ・ビダル 3トップは右からメッシ、スアレス、コウチーニョ

ベンチ イニャキ・ペーニャ ベルマーレン ムリージョ アレニャー ボアテング デンベレ マウコム

試合の流れ・・・バルサは現状のベストメンバーを起用。ビルバオは10番ムニアインをベンチに置いてスタートした。

コンパクトな4−4−2のフォーメーションで開始から出足が良いビルバオに押されるバルサ。ことごとくセカンドボールを拾われた。前半11分、中央でビダルがパスミスをすると、ユーリにそのままシュートまで運ばれてファーストチャンスを与える。

17分にはゴール中央やや右からスサエタが左足のシュート。これはテア・シュテーゲンが左手で弾き出して難を逃れる。

なかなかチャンスを掴めないバルサだが、26分に決定機を迎える。セメドがメッシのスルーパスに抜け出すと、飛び出した相手GKが一歩早くボールに触り手でクリア。それにいち早く反応したメッシが空いたゴールにループシュートを放つが、ボールはバーに弾かれた。セメドの抜け出しの時点でオフサイドと判定されたが、リプレイで見ると完全にオンサイド。メッシのシュートが決まっていればVARでゴールが認められていただろう。

その後は両チーム大きなチャンスを作れずに前半を終える。

両チーム、ハーフタイムでの交代はなし。

後半、バルサは見違えるような動きでボールを支配。素早い攻→守の切り替えで相手を押し込む。ただゴール前での工夫と質が足りない。ペナルティーエリア前くらいまではボールを運べるが、なかなかシュートすら打てない時間が続く。

途中からアレニャー、デンベレを投入するも流れは変えられず。守備陣は最後まで集中を切らさずクリーンシートを達成したが、少し心配になる内容で試合が終わった。

個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン 8点 ★MOM

2度のビッグセーブを含む見事なパフォーマンスでバルサに勝ち点1をもたらした。前半のスサエタのシュートには左手一本、後半のウィリアムズの決定機には右手一本で対応。ありがとう、テア。

CBピケ 6点

最後まで集中を切らさず無失点。ラングレ2人で、スピードのあるウィリアムスにしっかり対応した。何度か決定機を作られたのは、CBの責任ではない。

CBラングレ 7点(後半43分OUT)

本当にうまい。並のCBなら簡単にクリアして相手ボールにしてしまうところをしっかりとマイボールにできる。この試合ではピケと2人で、サッカーの基本「チャレンジ&カバー」を体現しウィリアムズに仕事をさせなかった。

RSBセルジ・ロベルト ⒌5点

悪くはなかったが、もう少し攻撃面での貢献が欲しかった。中央寄りのプレーに終始しピッチの幅と深みを有効に使えなかった。

LSBセメド 6点

不慣れな左ラテラルを問題なく務めた。オーバーラップのタイミングもよく、この試合では最も得点の可能性を感じさせる動きを見せてくれた。

MFブスケツ ⒍5点

良いブスケツだった。マイボール時のポジショニングが的確。常にボールがこぼれる位置を予測して細かく位置を変え、相手の攻撃を未然に防いだ。自分がボールを奪う場面は少なかったが、彼の立ち位置のおかげで相手のパス・ドリブルコースが限定され、チームがうまくボールを回収できていた。(特に後半)

MFラキティッチ ⒌5点

らしくないパスミスもあり、攻撃のリズムを作れなかった。週中のクラシコも含めて少し調子が落ちてきているように感じる。疲れもあるだろう。シーズン終盤の“本当に大事な時期”のためにしっかりとコンディションを整えていってほしい。

MFアルトゥーロ・ビダル ⒋5点(後半18分OUT)

前半にありえないパスミスが2本。攻守で存在感を示せず、最初の交代カードでベンチに下がった。

FWメッシ ⒌5点

まだ万全ではないのだろう。ボールを持つと違いを見せたが、無理につっかけて相手に引っかかるシーンも多かった。

FWコウチーニョ 5点(後半30分OUT)

ボールを受けて1人かわすところまでは良いのだが…。何しろ存在感がない。交代で出場したデンベレの方が、何かしてくれそうな感じがある。私たちの“コウチーニョは調子が悪い”という先入観がそう感じさせているのだろうか。解説の川勝さんも言っていたが、ラストパスの質も低い。ボールタッチのフィーリングが合っていない。

FWスアレス 5点

おとなしかった。相手CBとの駆け引きも少なくメッシの手助けをできなかった。

交代出場

MFアレニャー ⒌5点(後半18分IN)

積極的にボールを触り攻撃を循環させたが、ゴールにあと3メートル近いところで仕事をして欲しかった。得点を取るための“違い”は見せられなかった。

FWデンベレ ⒌5点(後半30分IN)

待ち望んだ復帰戦。ただ、スペースがある場所で一度もプレーできなかった。ここからしっかりフォームを取り戻してほしい。

DFベルマーレン 採点不可(後半43分IN)

ラングレのケガ(?)の影響で出場。特筆するプレーなし。

トピックス

・迫力のない攻撃、今季リーガ初の無得点

前節戦ったバレンシアと同じくコンパクトな4−4−2で守るビルバオ相手に、ほとんどチャンスを作れなかった。メッシも久しぶりに不発だった。チームに足りなかったのは裏を狙う動き出し。

チェルシーに6−0で勝利したマンCはペナ角を何度も狙い、とにかく相手ペナルティエリア内にボールを運んだ。現代サッカーのゴールのほとんどはペナ内で生まれている。

アルバ不在が響いたのはもちろんだが、特に右サイド(セルジ・ロベルト、ビダル)とスアレスで深みを作れなかったことが、この試合で攻撃が停滞した原因だろう。ただ、ビルバオの守備も素晴らしかった。

・14分48秒、ラキ⇄ビダルのポジション変更も効果なし

気になる人は、前半14分48秒のシーンを振り返ってほしい。ラキティッチとビダルが軽く言葉を交わしポジションを入れ替えている。スタートは右インテリオールにラキティッチ、左にビダルだった。

ベンチからの指示か選手自身の判断かは分からないが、左でプレッシャーを感じ窮屈にプレーしていたビダルのための変更だったのだろう。これ以降、ビダルはビルドアップにはあまり関わらず、メッシが落ちるとFWのポジションを取った。

この変更を見たときは「なるほど良い判断」と思った。メッシがゲームメイクに加わることでビルドアップがスムーズに進み、ビダルの攻撃力も活かせると感じたからだ。

この試合では特に効果は得られなかったが、試合中にこうした細かい修正を加えられるのはレベルの高い選手、チームである証拠。

個人的に、“選手は同じインテリオールでも左右が変わると全く別のポジションに感じている”と予想している。それを全く感じさせないバルサの選手たち(特にラキティッチ)は本当にすごい。

・お手本のようなチャレンジ&カバー

ピケとラングレの両CBは、お手本のような連携でウィリアムズをシャットアウトした。ビルバオに決定機を作られたシーンも何度かあったが、最も恐れていた「カウンター1本で失点」は許さなかった。

・迫るマドリー、バルサは踏ん張りどころ

バルベルデはしっかりと現状のベストメンバーを組み勝利を狙う姿勢を見せたが、引き分け。これで2位マドリーとの勝ち点差は6に縮まった。調子を上げてきているマドリー、怖い。

バルサは踏ん張りどころを迎えている。主力選手のケガ・不調が相次ぐ中、間もなくCLは再開。コパクラシコ2ndレグも含めたマドリーとの2連戦もある。疲れが出始める時期だが日程は厳しい。

今週は週中の試合がなく、久しぶりに1週間日程が空く。しっかりとリフレッシュした状態で次節ホームでのバジャドリード戦に挑みたい。

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