★スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセメド、ピケ、ウムティティ、セルジ・ロベルト 中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにアルトゥーロ・ビダル、左にアレニャー 3トップは右からデンベレ、スアレス、コウチーニョ

○ベンチ シレッセン ラングレ ベルマーレン ジョルディ・アルバ アルトゥール マウコム メッシ
★試合の流れ
バルサは招集外のラキティッチに加え、メッシ、アルトゥール、アルバ、ラングレがベンチスタート。左サイドにはセルジ・ロベルトが入り、中盤はブスケツ、ビダル、アレニャーのトリオです。
アラベスは今シーズン初の5バックシステムを採用(DAZN解説の小澤一郎さん情報)。乾貴士は残念ながらケガでベンチ外です。
○前半
キックオフからボール支配はバルサ。ホームのアラベスは、バルサのゴールキックとGKテア・シュテーゲンがボールを持った時以外は完全に引いて守ります。
最初のチャンスはバルサでした。6分、コウチーニョが相手のバックパスを奪ってスアレスにスルーパス。完全に抜け出したスアレスの左足シュートはGKパチェコに防がれます。こぼれ球に反応したコウチーニョのシュートも、戻ったDFにブロックされます。
5-4-1で完全に引いてブロックを作るアラベス。バルサのボール支配は8割を超えますが、攻めあぐねる時間が続きます。
次のチャンスは29分、中央フリーでボールを受けたデンベレから右に流れたスアレスにスルーパスが通ります。スアレスはまたも完全に抜け出しますが、シュートは再度パチェコがストップ。
それ以外は特に大きなチャンスはありませんでした。
対するアラベスもセットプレー中心に得点を狙いますが、決定機を作るには至りません。
スコアレスで前半を折り返します。
○後半
ハーフタイム、アラベスは前半終了直前に負傷したロランに代えてブラシャナツを投入。
バルサはメンバーはそのままですが、セメドとセルジ・ロベルトの位置を逆にします。後半開始からセルジ・ロベルトが右、セメドが左のサイドバックに入ります。
セカンドハーフもボール支配はバルサ。ジワジワとゴールに近づきます。
待望の先制点は9分でした。右サイド、セルジ・ロベルトがビダルとのワンツーで抜け出すと、中央にパス。スアレスがスルーしたボールに反応したのは、後方から走り込んだアレニャーでした。相手のブロックを完全に崩してGKと一対一。アレニャーが冷静に制しました。
この試合ここまで好プレーを見せていたアレニャー。ゴールという大きな結果を残します。それにしても、見事な攻撃でした。
直後に追加点が生まれます。スアレスの個人技(突破)で獲得したフリーキックの流れからPKをゲット。これをスアレスが落ち着いて右に決めて2-0とします。(得点は15分)
ウォーミングアップ中のメッシ、アルバの助けを借りる前に勝負を決めました。
その後、バルサはメッシ、アルバ、アルトゥールを投入。流しつつも、アラベスにチャンスを与えずしっかり試合をクローズさせました。
主力の半分を温存しながら完勝。優勝をグッと近づける貴重な勝ち点3を獲得しました。
★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)
GKテア・シュテーゲン 7点
相手のセットプレーにも落ち着いて対応。足元のプレーも抜群の安定感でした。
CBピケ 7.5点
相変わらずの守備範囲の広さで相手をシャットアウトしました。コンディションは上々です。
CBウムティティ 6.5点
トップフォームとは言えませんが、やはりピケとのコンビなら安定します。第3.4のCBとして考えるなら贅沢すぎる選手です。
RSB(LSB)セメド 6点 (後半25分OUT)
及第点でしょう。前半、デンベレとコンビを組んだ右サイドではある程度の存在感を示しましたが、慣れない左に移った後半は完全に消えました。
LSB(RSB)セルジ・ロベルト 7点
セメドとは逆です。左でも一定の活躍を見せつつ、右に入るとさすがのプレーで先制点を演出しました。シーズン終盤で序列をしっかり取り戻しました。
MFブスケツ 6.5点
アレニャー、ビダルとの慣れないコンビでしたが、しっかり指揮をとりました。負担の少ないゲームでした。
MFアルトゥーロ・ビダル 6.5点
試合が決まってからも最後までファイトしました。相手からしたら嫌な選手、味方からすると本当に助かる選手です。不用意なパスミスもありましたが高評価です。
MFアレニャー 8点(後半42分OUT) ★MOM
文句無しのMOMです。貴重な先制点はもちろん、前半から縦パスで何度もチャンスを演出。狭いスペースのプレーでもほぼノーミスでした。大切な出場機会をしっかり生かしました。
FWデンベレ 5.5点(後半16分OUT)
比較的大人しめでした。前を向くと違いを見せるプレーもありましたが、得点に直結するプレーはありませんでした。ただ、状態自体は悪くなさそうです。大切なCLに向けてコンディションを上げていって欲しい。
FWコウチーニョ 5.5点
前半は悪くありませんでしたが、徐々に消えていってしまいました。正念場が続きます。
FWスアレス 7.5点
見事なスルーで先制点を演出し、強引な突破からPKにつながるフリーキックを獲得しました。得点もしっかりゲット。いい仕事ぶりでした。
○交代出場
FWメッシ 5.5点(後半16分IN)
2点リードの状態から30分プレー。調整です。無理しすぎず、それでも違いは見せました。
DFジョルディ・アルバ 5.5点(後半25分IN)
この人も調整出場。20分プレーしました。完全休養より、少しプレーした方が良いという本人とコーチ陣の判断でしょう。
MFアルトゥール 採点不可(後半42分IN)
勝負は決まっていました。負担なく数回ボールに触りました。
★トピックス
・【バルサ】アレニャー躍動
アレニャー、良かったですね。カンテラーノの活躍はまた違った嬉しさがあります。
ここまで、スタメン出場は大幅なターンオーバー時が多かったので、難しいプレーを強いられることが多かった。ただ、この試合のように主力中心のメンバーで出場すると、高いパフォーマンスを見せてくれます。この日は完全にMOMの活躍でした。
相手のライン間、最もプレッシャーがかかる局面でもしっかりプレーできる選手です。安全な横パスだけでなく、勝負をかける縦パスも出せます。身長は180cmで意外と高さもあり、簡単に当たり負けしない強さがある。
デ・ヨングが加入し、ラキティッチ、ビダルも残留するとなると更に厳しい環境にはなりますが、バルサに居続けて欲しい選手です。
今季残りのビッグゲームでも出番を与えて欲しいと思います。
・【バルサ】主力温存 ほぼ完璧なゲーム
バルベルデとしては理想的な試合運びだったでしょう。相手が極端に守備的に戦ってきたため、前半は苦しみました。ただ、後半メッシらを投入するまでに2得点。勝負を決めてから負担の少ない環境でメッシ、アルバを投入できました。
“なぜ完全休暇を与えなかったのか”という声もあるでしょうが、これは選手とスタッフの判断です。出場させたということは、調整のためには出た方が良かったということです。約30分の出場なら疲労も溜まりません。しかも、途中出場の2人は運動量を自身でコントロールしていた印象です。問題ないでしょう。
ラキティッチ、ラングレ、アルトゥール(少しだけ出場)には休養を与えることができました。加えてベンチ要員のアレニャーが結果を残しました。
そしてアウェーゲームでしっかり勝ち点3。文句無しです。
・【バルサ】リーガのタイトルは目の前
リーガ優勝は決まりました。必要な勝ち点はあと3。明日の試合(日本時間25日早朝)で、アトレティコがバレンシアに敗れると優勝決定です。
何気なく書いていますが、アトレティコとの直接対決(4/6)からもしっかりと勝ち点を重ね、狙い通りCL準決勝前にリーガを決められそうです。これは本当に大きい。
気持ちの面でも、“次節ホームで優勝を決めるor優勝が既に決定してパシージョ(花道)のなか入場→CL”は最高の流れです。そうなることを願いましょう。