【マッチレビュー】18〜19シーズン/国王杯決勝/バルセロナVSバレンシア/1−2

★スタメン GKシレッセン  DFは右からセメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ 中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにラキティッチ、左にアルトゥール  3トップは右からセルジ・ロベルト、メッシ、コウチーニョ

両チームのスタメン

○ベンチ イニャキ・ペーニャ ウムティティ ベルマーレン アルトゥーロ・ビダル アレニャー マウコム カルレス・ペレス

★試合の流れ

試合開始は現地の夜9時。にも関わらず、セビリアの気温はキックオフ時点で30度を超えていたそうです。これは暑い。

○前半

バルサキックオフで試合開始。バレンシアは予想通り4-4-2のブロックを敷いて守ってきます。ボールを持つのはバルサですが、バイタルエリアまではなかなか侵入できません。

最初のチャンスはバレンシアでした。5分、ここまでずっと押し込んでいたバルサですが、相手にボールを奪われるとパレホに時間を作られて高い位置での回収に失敗。そこから右サイドにボールをつながれます。

カルロス・ソレールのスルーパスに対応したラングレ。良い読みでカットには成功しますが、中に向けた軽率なクリアがロドリゴに通ってしまいます。これで大ピンチ。ロドリゴはシレッセンをかわしてゴールに流し込みますが、戻ったピケがゴールラインギリギリでかき出して防ぎました。危なかった。

バルサはアルトゥールを中心に相手のブロックの前ではボールをつなげますが、チャンスは全く作れません。

先制点は22分、バレンシアでした。お手本のような攻撃です。

スタートはブスケツのパスミスでした。奪ったロドリゴからバレンシアは速攻。しかし、これはバルサもうまく対応して攻撃を遅らせることに成功します。バレンシアは遅攻に変更。一度、ボールをCBまで下げます。

ボールを持ったG・パウリスタ⑤。ここでまず、バレンシア左サイド2人の動きです。ゲデスがサイドから中に落ちて自分のマーク、セメドを引き連れて左サイドにスペースを作ります。そのスペーシに走り込んだサイドバックのガヤ。S・ロベルトは完全に裏を取られてしまいました。そこに見事なロングパスが通ります。下の図2の状況です。

図2

次はバレンシアの2トップの動きです。攻め残っていたロドリゴがピケ、ラングレを引きつけ、ガメイロ⑨にスペースを与えます。下の図3,4の動きです。

図3
図4

中央、ペナルティエリア内でフリーのガメイロにボールが通りました。アルバがなんとか戻りますが、冷静だったガメイロ。うまくかわして、落ち着いて強いシュートを打ち込みました。

左サイド(ゲデス、ガヤ)、2トップ(ロドリゴ、ガメイロ)の2ユニットが見事な連携を見せました。まんまとやられたバルサ守備。これでバレンシアが先制します。

バルサにとって最も大きな問題だったのは、中盤の3人+セメド、コウチーニョが全く戻りきれていなかったこと。ブスケツ、ラキティッチも全く守備に関われませんでした。

まず簡単に裏を取られた右サイド(セメド、S・ロベルト)は最悪です。ただ、その後全く戻れなかった中盤から前の選手にも問題はあります。これは暑さが原因か、モチベーションが原因か。あまりにも簡単にやられてしまいました。本当に残念な失点です。

試合の流れから外れてしまいました。続けていきます。

その後も試合の展開は変わりません。ボールを持つバルサ。守りながらチャンスを伺うバレンシア。

給水タイムを挟んで、次の得点もバレンシアでした。

33分です。GKドメネクのロングパスを受けたパレホ。プレスをいなしながら、良い形で攻め上がったコクランにしっかりパスを通します。コクランは右サイド、C・ソレールにスルーパス。

アルバに走り勝ったソレールはペナルティエリアまで前進すると、中へ鋭いクロス。ここにドフリーで飛び込んだのはロドリゴでした。ヘディングで合わせてゴール。

自陣深くでボールを持ったパレホから、たった3本のパスでゴールまで到達しました。

この場面も、あまりにも簡単にやられてしまったバルサ。前半で2点リードを許す苦しい展開になります。

前半終了間際に少しスイッチが入ったバルサ。44,45分にメッシ、46分にラキティッチが連続でシュートを放ちますが、得点を奪うことはできません。

前半はバレンシアの2点リードで折り返します。

○後半

苦しいバルサ。バルベルデはハーフタイムに2枚の交代カードを使います。

セメド→マウコム
アルトゥール→ビダル

後半スタート時のメンバー

S・ロベルトが右サイドバックに下り、マウコムが右ウイング。ビダルは左インテリオールですが、攻撃時はメッシより高いポジションを取ります。

バレンシアは前半と同じメンバー、フォーメーションです。

後半スタート。

後半は、右サイドのマウコムを基点にバルサが押し込みます。バレンシアは前線からのプレスが少し中途半端になっていきます。

11分にビッグチャンスを作ります。右サイド高い位置でボールを受けたメッシ。ペナルティエリア内で相手を背負ったマウコムに壁パスを当ててリターンを受けると、細かいタッチで2人をかわしてそのまま左足アウトサイドでシュートを放ちます。ただこれはポスト直撃。跳ね返りをビダルがダイレクトボレーで合わせますが、これも枠外に外れます。

26分もマウコムから。スピードに乗ったドリブルで運んで中央にいたピケにドンピシャのパスを送ります。ただピケのダイレクトシュートは枠の右。徐々にゴールに近づきます。

バルサのゴールはその直後、28分でした。右コーナー、マウコムのキックに合わせたのはラングレ。一度はGKドメネクに防がれますが、詰めていたメッシが押し込んで1点を返します。

アディショナルタイムを合わせると、まだ残りは20分ほどあります。分からなくなってきました。

ここから残りの時間は、お互い気持ちを全面に押し出したプレーの応酬。ボディコンタクトも多かったですが、悪質なプレーは無い、見ているこちらも熱くなる好プレーの連続でした。

押し込み続けるバルサですが、バレンシアの集中した守備を前にシュートまで持ち込めない。

バレンシアは48,50分、ゲデスがトドメを刺すチャンスを決めきれませんが、試合はこのまま終了。

創設100周年を迎えたバレンシアが、熱戦を制し11シーズンぶりのメジャータイトルを獲得しました。

バルサはアンフィールドの悪夢を拭いきれないまま、敗北。今季はリーガの1冠に終わりました。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKシレッセン  6点

失点はどちらもノーチャンス。ファーストピンチの対応など、良いプレーも見せました。シレッセンの最後を飾ることができず残念です。

CBピケ 5.5点

2失点はあまりにも簡単にやらせてしまいました。後半攻め上がったのは誰の判断か分かりませんが、正直効果的ではありませんでした。

CBラングレ  5.5点

大ピンチを招く軽率なミス、そして2失点。悪いプレーが目立ちました。ただ、バルサの得点はラングレのヘディングから。敗戦後に座り込んで涙した姿は印象的でした。まだまだ未来のある選手。来季以降に期待です。

RSBセメド 5点(後半1分OUT)

前半のみの出場。1失点目はあまりにも簡単に裏を取られてしまいました。移籍の噂も出てきています。

LSBジョルディ・アルバ  5.5点

2失点目はC・ソレールに完全に走り負けました。攻撃でもメッシを気にしすぎるあまり、警戒する相手の網に掛かりまくってしまいました。

MFブスケツ 5点

まずい奪われ方で1失点目の原因に。まずこの試合では動けていませんでした。ユーロ予選もありますが、しっかりリフレッシュして来季を迎えて欲しいです。

MFラキティッチ 5点(後半31分OUT)

ブスケツ同様、走れていませんでした。シーズンの疲れかモチベーションか。交代後には珍しく感情を露わにする場面もあったそうです。

MFアルトゥール 5点(後半1分OUT)

開始直後は意欲的にボールに触り、リズムを作りました。ただ、時間とともにパフォーマンスは下降。前半のみの出場になりました。

FW(RSB)セルジ・ロベルト 4.5点

1失点目の対応は最悪。後半はポジションを落としましたが、らしくないミスも多かったです。

FWコウチーニョ 4点

インパクト無し。これがバルサでのラストゲームになってしまうのでしょうか。

FWメッシ 7点

唯一ゴールの匂いがする選手でした。コクラン、パレホの徹底マークに苦しみながらも、やはり何度も決定的な働きをしていました。

○交代出場

FWマウコム 7点(後半1分IN)

メッシとともに最高評価。後半の攻撃はほぼ全てマウコムが基点でした。スピードに乗った積極的な仕掛け、正確なプレーの使い分けも抜群でした。欲を言えば、こういう試合で得点やアシストの結果を残して欲しかった。

MFアルトゥーロ・ビダル 6点(後半1分IN)

偽9番の位置に入り相手のDFラインを下げ、メッシのためのスペースを作りました。パワータイプの選手だと思われがちですが、本当に頭のいい選手です。

MFアレニャー  5.5点(後半31分IN)

勿体無いパスミスもありましたが、基本的には効果的なプレーを見せていました。

★トピックス

・【バレンシア】魂の戦い 悲願の優勝

バルサの話をする前に、まずは優勝したバレンシアを称えましょう。素晴らしい戦いでした。技術も高く、戦える選手が揃った好チームです。今季序盤は苦しみましたが、リーガ4位、ELベスト4、国王杯優勝。見事な結果です。

特にパレホ。本当に良い選手じゃないですか? この前シーズンベスト11の記事で、しっかり取り上げていてよかったです。

パレホを絶賛している記事なので、もしよかったら読んでみて下さい↓↓

もう1つ、バレンシアフロントもいい働きをしたシーズンでした。先ほども書いた通り、今シーズン序盤、バレンシアは全く勝てなかった。指揮官マルセリーノ・ガルシア・トラルは、いつ解任されてもおかしくない状況でした。ただ、簡単にクビを切らず、じっと我慢したフロント。

解説の小澤一郎さんも言っていましたが、今季バレンシアが素晴らしいシーズンを送れたのは、クラブ全体の功績だと思います。Jリーグは現在解任ブームですが、見習って欲しい部分です。

・【バルサ】簡単すぎた失点 重かった2点

1失点目は上で詳しく振り返りましたが、この試合の2失点はあまりにも簡単すぎました。1失点目はミスから、2失点目は回収の失敗から。サイドで裏を取られてクロスから失点。DF陣は相手FWを捕まえ切れず、ブスケツ、ラキティッチ、アルトゥールらは戻りきれていませんでした。

特に気になったのはブスケツとラキティッチ。走れていなかったですね。シーズンの疲れかモチベーションか。

後半はマウコムの投入で何度もゴールに近づきましたが、結果的にはあと1点が重かったです。

・【バルサ】1冠

つい1ヶ月前は3冠を目指せる位置、というか、3冠濃厚とまで言われていたバルサ。結果はリーガ優勝の1冠でシーズンが終わりました。

悪くない結果なんですよ。最も大切な大会は国内リーグです。力がある証拠です。ただ、なんせCLの負け方が最悪でしたね。昨季CLローマ戦のこともあって、印象が悪すぎます。

監督人事から選手の入れ替わりも含めて、落ち着かないオフシーズンになりそうです。

★最後に

これでバルサの18-19シーズンが終了しました。私たちファンにとっても、残念としか言えない1年になりました。

それでも、私個人としては、こうやって記事を書いて、たくさんの方と意見を交換できて、バルサのこともサッカー全体も、今まで以上に楽しめた素晴らしい時間でした。

このブログを始めたのはシーズン後半戦から。まだスタートして4ヶ月です。それでも、徐々にたくさんの方に読んで頂けるようになって、ありがたい限りです。

本当に、ありがとうございました!

オフシーズンもバルサの話題を中心に、たくさん記事を書いていくつもりです! もちろん来シーズンも!

まずは今シーズンの振り返りからですね!

これからもよろしくお願いします!!

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