【マッチレビュー後編】18〜19シーズン/国王杯準決勝1stレグ/バルセロナVSレアル・マドリード/1−1

昨日更新のマッチレビューですが、選手採点のみで試合の流れとトピックスを更新できていませんでした。遅くなって申し訳ございません。今更ですが、試合を振り返っていきましょう。

両チームのメンバー

バルセロナ

スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ  中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにラキティッチ、左にアルトゥール 3トップは右からマウコム、スアレス、コウチーニョ

ベンチ イニャキ・ペーニャ ムリージョ セルジ・ロベルト アルトゥーロ・ビダル アレニャー ボアテング メッシ

レアル・マドリード

スタメン GKケイラー・ナバス DFラインは右からカルバハル、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ 中盤はマルコス・ジョレンテ、トニ・クロース、モドリッチの3枚 3トップは右からルカス・バスケス、ベンゼマ、ヴィニシウス

ベンチ クルトワ ナチョ カゼミーロ アセンシオ イスコ ダニ・セバージョス ベイル

試合の流れ

バルサはメッシがベンチスタート。もう一つの注目ポイントだった右サイドバックにはセメドが起用され、右ウイングにはマウコムが抜擢された。

マドリーは左サイドバックにマルセロ、右ウイングにはルカス・バスケス。中盤の底はマルコス・ジョレンテで、カゼミーロ、ベイルはベンチからのスタートになった。

開始から積極的に仕掛けたのはアウェーチームのマドリー。左サイドの18歳ヴィニシウスを中心にチャンスを作る。

前半6分、そのヴィニシウスがセンタリングを上げると、フォアに流れたベンゼマにピタリ。折り返しにルカス・バスケスがうまく左足で合わせていきなりの先制点を挙げる。センタリングに対して被ってしまったジョルディ・アルバ、中でスペースを与えてしまったラングレ。バルサとしては一瞬の隙を突かれた形だった。

バルサはその後もボールキープがちぐはぐ。アルトゥールは中盤でしっかり時間を作ったが、チャンスシーンはなかなか生まれず。特に頼みの綱だった左サイドのコウチーニョ、アルバは完全に封じられる。スアレスも相手CBにうまく抑えられ、ラキティッチにはいつもの存在感がなかった。これではマドリー相手に勝負できない。

前半32分にセットプレーからラキティッチのヘディングシュート、35分にマウコムからボールを受けたスアレスのシュートと2つの決定機を作るが、どちらも突発的。マウコム、セメドの右サイドからいい形を作るので精一杯だった。

反対にマドリーにうまくポゼッションされ、速攻から何度かチャンスを作られた。前半を0−1で終える。

両チームとも試合開始時と同じメンバーで後半がスタート。メッシ、ベイルなどが控えているため、両指揮官も探り合いだったか。

後半、このままでは終われないバルサだが、なかなか流れを変えられない。スタジアムからはメッシコール(早くメッシを出せ!という)が聞こえ始めた後半12分。サプライズ起用されたマウコムが魅せる。

ラングレからのロングスルーパスにアルバが反応。飛び出したナバスが先にボールを触るが、近くにいたスアレスが無人のゴールにシュート。懸命に戻るマドリーDF。このシュートはポストに弾かれるも、ボールはマウコムの前にこぼれる。得意の左足に持ち替え打ったシュートは寄せてきたカルバハルの足に擦りながらゴールに吸い込まれた。

渾身のガッツポーズ。この試合までなかなか出番をもらえず、出場してもインパクトを残せなかったマウコムが、この大一番で監督の起用に応えた。湧き上がるカンプ・ノウ。

その直後、両指揮官が動く。後半18分、バルサはメッシとビダル、マドリーはカゼミーロとベイルを投入。ラキティッチ、コウチーニョ、ジョレンテ、ヴィニシウスがベンチに下がった。

ここから試合がオープンになって大きく動くかと思いきや。両チーム「まずはしっかり守備」という姿勢を崩さなかった。中盤の攻防には見応えがあり、やはり質の高いプレーばかりの展開だったが、どちらも最後の部分が足りず。

残り5分ほどはお互い無理をせず同点で良しとなり、そのまま試合を終わらせた。

トピックス

・マドリーの素晴らしい守備意識、バルサは攻略できず

マドリーは試合を通して素晴らしい守備意識を見せた。特に右サイド(バルサの左)。一番怖いジョルディ・アルバをルカス・バスケスが自由にさせず。バスケスはこのタスクをしっかりとこなしつつ、先制点も決めてしまうのだからさすが。唯一マークを外してしまったシーンがバルサの得点につながった。

そしてカルバハル。バスケスを信頼し、コウチーニョのマークに集中できた。ほぼマンマークのような形で対応し、全く仕事をさせなかった。

左のヴィニシウスも苦手なりにしっかりと守備に戻り、チームプレーを徹底した。その中で攻撃でも脅威になったのだから、恐ろしい18歳だ。

ヴァラン、ラモスの両CBもスアレスにほとんど仕事をさせなかった。モドリッチはいやらしいほどアルトゥールに強く当たり、バルサの攻撃にリズムを作らせなかった。

バルサの中盤はポゼッション時にブスケツが3人の最前線に位置どるなど工夫を見せたが、マドリーの中盤3枚もうまく対応。この駆け引きが見ている側は楽しかった。ラキティッチがここで深みを作るなど違いを見せてくれるはずが、この試合は珍しくいつもの彼ではなかった。

よって、メッシ投入までのバルサの攻撃はほとんどマウコムが起点になっていた。

・躍動したマウコム、穴だったマルセロ

得意の左が封じられたバルサ。マウコムはミスも多かったが、積極的にプレーしたのが好感的だった。昨シーズンまでのアンドレ・ゴメスのように消極的なミスが続くとファンもブーイングを浴びせるが、マウコムはどこか応援したくなる。

セットプレーのキッカーにもなり、バルサのチャンスはほとんど彼から生まれていた。

そして同点ゴール。CLグループステージ、インテル戦のゴールで涙した姿は感動したが、今回はにやけてしまった。「やっぱりお前かよ」みたいな(笑)

私は当ブログを通してマウコムを相当ディスってきた。すいません、ナイスゴール、ナイスプレーでした。放出してほしい候補筆頭であるのは変わりないが、あの純粋な喜び方とバルサで成功したい!という姿勢は本当に応援したくなる。

マッチアップしたマルセロは完全にマドリーの足を引っ張っていた。マウコムを全く捕まえ切れず、自由にプレーさせてしまった。攻撃に特徴のある選手なのは間違いないが、この試合に限ればベンチを外れたレギロンの方が適任だった。

・違いを示したメッシ、存在感ゼロだったベイル

メッシはしっかり対策してきたマドリーディフェンスを攻略できなかったが、やはり圧倒的な存在感を示した。逆にメッシに仕事をさせなかったソラーリのプランはさすがだった。メッシが試合途中から投入されることを見越して、選手たちに戦術を与えていたのだろう。

バスケスがアルバを見る形は変わらず、中盤3枚と両CBの5人が最低でも2枚で常にマークしドリブルコースを限定。中央に誘い込まれたメッシはいつの間にか大人数に囲まれパスコースも見つけられず。メッシが悪いというよりは、マドリー守備がよかった。

それに対してベイル。攻撃の存在感はゼロ。後半36分のチャンスもセメドに防がれ得点機を逸した。守備では最低限の仕事をしていたが、ソラーリが求めていたのはそれではないはずだ。モチベーション面でも心配だ。

最後に

1−1という結果は両チームにとって悪くないもの。バルサはアウェーゴールを与えたが、1点ならほぼダメージはないだろう。

2ndレグまで約3週間。バルサはビルバオ、バジャドリード、リヨン、セビージャと対戦。マドリーはアトレティコとのダービーに始まり、アヤックス、ジローナ、レバンテと戦う。

特に両チームとも若く勢いのあるチームと戦うCLは大変。うまくローテーションを使いながら、いい状態で次の試合に挑めるかも鍵になる。

バルサは3週間あればメッシが調子を取り戻すだろうし、デンベレは間違いなく復帰する。ウムティティも全体練習に合流するなど嬉しいニュースも。

ただ、アルトゥールがまさかの離脱。左ハムストリングのケガで約1ヶ月の負傷だそう。痛すぎる。

マドリーも今回のクラシコで好プレーを見せていたジョレンテが離脱で、次のクラシコには間に合わなさそう。お互い厳しい試合を戦った先にある次のクラシコは、どんなゲームになるのか。

楽しみにしましょう!

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