【マッチレポート】19〜20シーズン/CL準々決勝/バルセロナVSバイエルン/2-8●

★両チームのスタメン(バルサのベンチメンバー)

両チームのスタメン

【欠場選手】
・負傷→ウムティティ
・出場不可→ブライスワイト
・招集拒否→アルトゥール

★得点(アシスト)と警告・退場

・得点
 前半4分【バイエルン】ミュラー(レヴァンドフスキ)
 前半7分【バルサ】OG(アラバ)
 前半21分【バイエルン】ペリシッチ(ニャブリ)
 前半27分【バイエルン】ニャブリ(ゴレツカ)
 前半31分【バイエルン】ミュラー(キミッヒ)
 後半12分【バルサ】スアレス(アルバ)
 後半18分【バイエルン】キミッヒ(デイビス)
 後半37分【バイエルン】レヴァンドフスキ(コウチーニョ)
 後半40分【バイエルン】コウチーニョ(ミュラー)
 後半44分【バイエルン】コウチーニョ(リュカ)

・警告(イエローカード)
 【バルサ】 スアレス,アルバ,ビダル(3枚)
 【バイエルン】 ボアテング,デイビス,キミッヒ(3枚)

・退場者(レッドカード)
 【バルサ】 なし
 【バイエルン】 なし

★試合の流れ

CLもベスト8が出揃いました。コロナウイルスの影響で、ここからはリスボン(ポルトガル)で行われる一発勝負。準々決勝の4カードで最も注目度が高い、我らがバルサとドイツ王者バイエルンの対戦です。

バルサはナポリ戦で出場停止だったブスケツ、ビダルがスタメン復帰。飛び道具デンベレにも出場許可がおり、万全の布陣で挑みます。システムは4-4-2。スアレスとメッシが2トップを組み、グリーズマンはベンチスタート。

バイエルンはこれまで通りの4-2-3-1。チェルシー戦で負傷交代したボアテングも問題なくスタメン出場です。ニャブリとペリシッチが両翼を担い、今季の“バロンドール筆頭”と言われたレヴァンドフスキが1トップに入ります。バルサからレンタル中のコウチーニョは控えに回ります。

○前半

試合開始。サイドからの攻撃と高い位置からの即時奪回で圧力をかけるバイエルンがペースを握ります。4分、いきなりの先制点を奪われます。

中央でボールを失うと、右サイドでペリシッチに裏を取られてクロスボールからミュラー→レヴァンドフスキ→ミュラーとつながれて失点。シンプルかつ正確なショートカウンターでした。いきなり出鼻を挫かれたバルサ。

ただ、思わぬ形からすぐに同点に追いつきます。

7分。ラングレのロングボールで完全に裏をとったアルバ。クロスボールに戻ったアラバが処理を誤り、ボールがゴールに吸い込まれます。先制を許してからわずか3分。バルサがオウンゴールで追いつき、スコアをタイに戻します。

ここから数分はバルサの流れになりました。セメドが運んでスアレスの決定機を演出したり、ショートコーナーからメッシのクロスがポストに当たったり。バイエルンが4-4-1-1でブロックを敷いて守る時間を作ることもできました。

ただ、振り返るとバルサの時間帯だったのは試合を通してこの10分ほどだけでした。この後、ズルズルと失点を重ねることになるとは…

21分、セルジロベルトが低い位置でボールを奪われると、ニャブリ→ペリシッチと右サイドを崩されて1-2。
27分はゴレツカのフリックでラングレが完全に裏を取られてニャブリにゴールを許して1-3。
31分には左右に揺さぶられると、最後は相手右サイドのクロスからミュラーに合わせられて1-4。

見るも無残な10分間でした。相手のプレッシングに怯えて無責任にボールを離すバルサイレブン。まるで昨季CLリヴァプール戦の後半を見ているようでした。

バタバタは解消されないまま、3点のリードを許して前半を折り返します。

○ハーフタイム

とにかくゴールに向かうしかなくなったバルサ。セルジロベルトに代えてグリーズマンを投入し、ナポリ戦でハマった4-3-1-2の形に変更します。

バイエルンは同じ11人で後半に挑みます。

○後半

バランスを崩したバルサに対し、襲いかかるバイエルンの強力なアタッカー陣。2列目から飛び出す選手を捕まえきれずに、次々とチャンスを作られます。

もうこれはダメだ。そう思った12分。バルサが1点を返します。

メッシがブスケツより下がってゲームメイク。左サイド裏にボールを送ると、アルバの折り返しにスアレス。トラップから1人をかわして左足で落ち着いて流し込みました。これぞスアレス。

素晴らしいゴールで2-4としました。残りは30分以上あります。まだチャンスはある。

しかし、ここでスイッチを入れて攻めきれないのが近年の弱いバルサ。

18分、右サイドでセメドがデイビスにブチ切られると、走り込んだキミッヒに決められて2-5。再び3点のリードを許します。

ここからバルサはアンス、バイエルンはコマン,コウチーニョ,ズーレの順に交代選手を投入。30分ほどスコアが動きませんでした。

そんな流れの中、敗退濃厚のバルサを地獄の底に突き落としたのは、レンタル中のコウチーニョでした。

37分。右サイドで面白いようにボールを回されると、最後はコウチーニョのクロスにレヴァンドフスキが頭で合わせて2-6。
40分はメッシのボールロストから。ミュラーのラストパスを受けたコウチーニョが落ち着いて流し込んで2-7。
トドメは44分。チアゴ→リュカで右サイドの裏をとられ、最後はニアにつめていたコウチーニョが決めて2-8。

わずか8分間でコウチーニョに2G1Aをくらって衝撃の8失点。もはや笑うしかなくなりましたね。

結局プッチやデンベレの投入もなく、3つの交代枠を残したまま何もできずに時計の針は進むだけ。意地を見せるようなシーンもゼロで、試合終了のホイッスルが鳴りました。

2-8という屈辱的なスコアが示す通りの完全敗北。完膚なきまでに叩きのめされ、バルサの今シーズンは終了しました。

13年連続のCLベスト8進出という素晴らしい継続性を残しつつ、3年連続のショッキングな敗退。

この未来永劫語り継がれるであろう敗戦で、バルサはどう変わるのか。また来シーズン、新たなスタートを切れるのか。いろいろな課題を突きつけられたシーズンでした。

みなさま、1年間お疲れ様でした。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン 0点

0点。パス成功率は71.1%でロングパスの成功は13本中5本。通常90%以上のパス成功率を誇るテアからすると異常な低さです。

彼に助けられた試合も多かったシーズンですが、この試合に関しては完全に落第。ノイアーとのドイツ代表対決でも悔しい結果になりました。

CBピケ 0点

0点。相手の強力な攻撃陣に何も出来ませんでした。ビルドアップも不安定。横からのクロスに対しての強さも見せられませんでした。

CBラングレ 0点

0点。3失点目は完全に裏を取られました。アバウトなボールをほとんどレヴァンドフスキに収められ、起点を作られました。ここまで何も出来なかったラングレは初めて見たかもしれません。

RSBセメド 0点

0点。デイビスとのスピード対決で完敗。5失点目は屈辱だったでしょう。

LSBジョルディ・アルバ 0点

0点。アシストこそありましたが、ビッグマッチで“いつも通り”パニックを発症。チームの助けになれませんでした。

MFセルジ・ロベルト 0点(後半1分OUT)

0点。2失点目につながったボールロストは致命的でした。その後も落ち着きを取り戻せず、ハーフタイムで交代。

MFブスケツ 0点(後半25分OUT)

0点。いつものようにボールを落ち着けることができず、前後左右と守備に走り回ることしかできませんでした。

MFフレンキー 6点

スタメン11人で唯一の“採点あり”。チアゴ、ゴレツカとのマッチアップでも負けていたわけではありませんでした。味方の無責任なパスを受けても、なんとかボールを失わず前進。

キミッヒの得点シーンはマークを離してしまいましたが、それ以外はチームで唯一、及第点を与えられる出来だったかなと思います。

MFアルトゥーロ・ビダル 0点

0点。古巣相手に良い所を見せられず。珍しく弱気な表情を見せるなど、相手の圧力に屈してパワーを出せませんでした。

FWメッシ 0点

メッシも0点。残念ながらこれが現実です。“メッシシステム”の代償で大敗。もちろん、守備も頑張っていました。そんなのは分かっています。

ただ、ボールロストを繰り返すそのプレーぶりも、ハーフタイムの振る舞いも、後半、膝をついて俯く仕草も、キャプテンとしては不十分。

この先、バルサとメッシはどうなるのでしょうか。

FWスアレス 0点

0点。得点シーンはお見事でした。それ以外はサッパリ。加入してからこれまでの功績は素晴らしいものがありますが、もう限界です。一度裏をとったのに、完全にスピードでアラバに追いつかれてしまったシーンで限界を見ました。

来季どうなるのでしょう。

○交代出場

FWグリーズマン 0点(後半1分IN)

0点。後半開始から投入されるも、何もできませんでした。結果的に獲得は失敗だったと言わざるを得ません。

FWアンス・ファティ 6点(後半25分IN)

アンスは及第点。情けない先輩たちとの苦しいプレーになりましたが、可能性のあるドリブルを見せてくれました。もう少し長い時間みたかった。願わくばスタメンでみたかった。

この敗戦を糧に、今後10何年とチームを引っ張る存在になって欲しいです。

*この0点採点は完全に僕の独断と偏見です。不快に感じる方もいるでしょうが、お許しください。選手への敬意を忘れた訳ではありません。
*パス成功率などの数字はWhoScored.comSofascore.comから引用しています。

★最後に

更新が遅くなってしまって申し訳ありません。いろいろ書きたくても気持ち的に難しい。そんな期間でした。バイエルン戦で浮き彫りになった課題や今シーズンの振り返りなどは別記事でアップしたいと思っています。

セティエンの解任も発表され、今オフのバルサは大きく陣容が変わる雰囲気です。短いブレイクですが、選手にはしっかりリフレッシュしてもらって、また来季頑張ってもらいたいところ。

そしてCLはまだ残っています。リーガ勢は全滅してしまいましたが、準決勝、決勝と楽しみなカードばかり(EL決勝も!!)。期待しましょう。

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