【詰んでいる?】バルサは来季以降どうする

突然ですが、今のバルサって「詰んでいる」状況じゃないですか?

実はこれ、「バルベルデ続投の是非について」(近日中にアップします)の記事を書いている時に感じた事です。今季のバルサの戦い、そして来季以降を考えると、いくら悩んでも解決策が全く見えてこない、完全に詰んでいる状態なんです。まぁ、“私の頭の中”での話なんですけどね。

ここ3日間くらい、本当に誇張なしでほぼ1日中考えていました。

メッシありきでバルサが蘇る方法って、あるんですかね?

まず、誰がどう見ても分かるように、今のバルサは「いかにメッシを生かすか」を前提に作られているチームです。これは今に始まった事ではなく、全盛期を築いたペップバルサから10年に渡って続いています。

来季も、これは変わりません。新しい監督が来たとしても、その監督の最初の仕事は「メッシと関係を築き、メッシを気持ちよくプレーさせる方法を考えること」です。間違いありません。

我々日本にいるファンでも分かる事です。なので私も、来季のバルサは“メッシありき”でどう戦うべきかを考えました。ただ、ここで行き詰まっている状況なんですよ。

フレンキー・デ・ヨングの加入は嬉しいですし、マタイス・デ・リフトも是非獲得してほしい。その上でラキティッチにも残留してほしい。ただ、結局“メッシがいる”ことには変わりないんです。

スアレスが残留しても、コウチーニョが売却されても、グリーズマンが加入しても、極端なことを言うとネイマールが電撃復帰しても、結局はメッシのチームなんですよ。

バルサは、メッシというサッカー史上最強の矛を手にしています。その矛は、31歳になっても錆びつくことなく、むしろ鋭さを増しています。

そしてその最強の矛と引き換えに、現代サッカーではあり得ない戦い方を強いられることになっています。

★なぜ詰んでいる?

まず、GKを合わせて10人(スアレスがいると9人)で守備をする必要があるという点です。

図1

上の図1のような状況です。なんとなく、リヴァプール相手をイメージして作りました。メッシ、スアレスのファーストラインがほぼノープレッシャーになるため、相手は基本的に労せず中盤までボールを運ぶことができます。

それ以降は、バルサ中盤の4枚に対し数的優位を作れば勝ち。ボールホルダーにプレッシャーがかかればその分ズレも生まれますし、スペースもできます。CFがボールを受けに下がれば、さらに1枚数的優位ができます。

バルサはカウンターに弱いチームだと思われがちです。ただ実は、質の高い相手だと、遅攻にも極端な弱さを見せるチームなんです。

バルベルデは有能な監督です。今シーズン序盤、守備が機能せず連続失点を喫した期間がありました。そうすると、守備時は左WGがSHの位置まで下がるDF4-MF4のラインを構築。ある程度割り切った考え方で守備を立て直しました。

ピケ、ラングレコンビの成熟、テア・シュテーゲンの神がかり的な好セーブ連発で、バルサの守備は一気に安定しました。

ただ、CLリヴァプール戦、国王杯決勝で完全にボロが出てしまいました。やはり、相手の質が上がるとこの守備は一気に機能しなくなります。機能しなくなるというか、守りきれなくなります。

試合によっては、素早いネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)で相手を押し込める時間もあります。ただ現在のバルサ主力選手の年齢(走行量)を考えると、1試合(1シーズン)通してあの守備を続けるのは不可能です。

要するに、チームとして、昔のように相手をずっと自陣に閉じ込める戦術を機能させるのは無理なんです。相手にボールを持たせる時間を作りつつ、ショートカウンターも含めて勝ち切る。バルベルデ体制になってからは特に、そんな戦い方が続いています。

今季はしばしば、“前半は相手を圧倒できるけど、後半は一気に盛り返される”なんて試合がありましたね。あれは、前半に得点を決めてペースダウンしたこともありますが、根本的にあのペースで後半を戦うのは不可能だということでしょう。

特に、ブスケツとラキティッチ。彼らは30を過ぎた現在でも世界トップクラスのMFです。特に“バルサにおいて”という点で考えると、簡単に代わりは見つかりません。ただ、彼らをもってしても、それにA・ビダルが加わった時でも、相手が世界トップレベルのチームになると、このバルサの守備は通用しませんでした。

このサッカーを続けるならば、「国内では優勝争いの筆頭だが、CLではベスト4,8が限界。欧州最高のチームにはなれない」と言えます。

CLリヴァプール戦。何度も見返しました。1stレグ3-0はバルサにとって会心のゲームでした。運や奇跡で勝ったとは思いません。ただ、2ndレグと合わせて2試合ベースで振り返ると、どう考えてもリヴァプールの方が格上に見えてしまいます。逆に、2ndレグ0-4の方が必然的に思えてしまうのです。

国王杯決勝も、来季に向けて悲観的にならざるを得ない内容でした。

アンフィールドショックを受けて、頭がかなりネガティブになっているのかもしれませんが、リヴァプール、マンC、PSG、ユベントス。このあたりのチームとホーム&アウェーでまともに戦って、勝てるイメージがあまり湧かないんです。

★では、どうするか

ならば、来季はスアレスを外してメッシの0トップにチャレンジ。そしてメッシ以外の10人で守れば良いのではないか。そのパターンを考えました。

ただ、そうすると次は逆に攻撃が手詰まりになるんです。

攻撃でメッシが生きる場面。それは、“メッシがゴールに近い位置で前を向いてボールを持っている”状況です。この状況を作り出す上で、スアレスは素晴らしい役割を果たしてきました。

図2

上の図2は、スアレスを取り上げた考察記事、【バルサ9番タイプ唯一の成功例 スアレスは何が凄い?】で使用したものです。スアレスは、相手DFラインとの駆け引きでバルサの攻撃に“5メートルの深み”を作り出せる選手です。これが、メッシと相性抜群な理由です。スアレスの加入で、相手にとって怖い“メッシがゴール近くで前を向いてボールを持つ”場面が増えました。

そして、スアレスは自身でゴールを奪うこともできる稀代のストライカーです。年齢による衰えは隠せませんが、メッシとの相性も含めて、現段階でスアレス以上の存在は簡単には見つかりません。

代わりを務められるとしたら、ケイン、フィルミーノくらいでしょうが、それならこれまでの戦いと変わりません。それに、現実的に考えて彼らの獲得は99.9%ありません。

★メッシの偽9番

そして、メッシの偽9番パターンです。

ただ、私は以前からメッシの偽9番には反対しています。

図3

上の図2は、【スアレスの後継者は? メッシの偽9番には反対】で使用したものです。メッシの偽9番(ウイング起用)が機能したのは、シャビ、イニエスタ、ビジャ、ペドロ、ダニ・アウベス、セスクなど、そうそうたるプレーヤーが周りにいたからです。

ラキティッチ、コウチーニョ、デンベレらも素晴らしい選手ですが、メッシの0トップを生かせる選手かと言えば疑問符を付けざるを得ません。

アルトゥール、デ・ヨング、アレニャーもいますが、上で挙げた選手たちの全盛期と比べるとさすがに可哀想です。

何を言いたいかというと、メッシの0トップはシャビ、イニエスタらがいて成り立っていたものということ。

今季リヴァプール戦後、スアレスが離脱してからメッシが0トップの位置に入って攻撃が機能しなかったように、今のメンバーではメッシの偽9番はかなり厳しいと感じてしまいます。

シャビとイニエスタ

少し話はズレますが、こう考えると、ルイス・エンリケ、バルベルデの2人は本当に優秀な監督だったんだと感じます。

前者はMSNで3冠を達成し、後者はそのNが抜けた穴を埋めつつ2年連続で素晴らしい成績(CLを除き)を収めました。

彼らはメッシという“呪縛”に囚われながらも、しっかりとチームを構築し、輝かしい結果を残したんですからね。

★メッシがベンチスタート?

話を戻しましょう。

じゃあ、どうすれば良いのかと。まだ答えは全く見つかっていません。というか、私が見つけられるくらいならとっくに誰かが見つけているはずです。

ただ一つ、現実的かどうかを無視すれば、たった一つだけ「良いんじゃないか」と思える方法があります。

メッシのスーパーサブ起用

です。言っている自分がバカなのは理解しています。笑 たくさんの批判意見が寄せられそうで怖いです。

そして、あり得ないことも重々承知しています。

ただ皆さん、少しだけイメージしてみて下さい。

図5

3トップは、守備の戦術理解度が高いセルジ・ロベルト、スアレス、コウチーニョの3人にしました。

近年、メッシ不在のクラシコでバルサが完勝している試合のイメージですね。

前半のメンバーで試合を圧倒的に支配することはできないでしょうが、メッシがいない分、守備面はかなり安定します。そして、ベンチにメッシがいる。

メッシ起用は後半残り30分くらいからでしょうか。疲れが出始める60分くらいにメッシが投入されるのは相手にとって最悪です。

とまぁ、こんなところで空想は止めにします。

いずれにしても、監督交代なども含めて解決策が見えてこないんですよ。どうですか?皆さん。

来季のCL優勝は、かなり難しいと思いませんか?

★最後に

ここまでメッシの呪縛だの何だの書いてきましたが、まず分かって頂きたいのは、私はメッシが大好きだということです。歴代のサッカー選手で圧倒的に一番好きです。守備も頑張る時は頑張ります。そんなの分かっています。

メッシがいるからバルサを好きになりましたし、メッシがいるからサッカーをもっと知りたいと思いました。今でもその気持ちは変わりません。彼のプレーをリアルタイムで観られているだけで幸せだと思っています。

メッシは歴史上全人類で唯一、戦術を凌駕できる存在です。元気なうちは、メッシありきでチームを考えるのがベストです。これは間違いありません。ただメッシといえども、毎試合1人でチームを勝利に導ける訳では無いのです。

だからこそ、私たちファンもそのジレンマを抱えながらバルサを応援しないといけないのかな、とも感じます。答えなんて分かりません。ただ、バルサが負けるのは嫌だ。

どうしましょう。この気持ち。書き殴りのような記事になってしまって申し訳ありません。悲観的な内容で、嫌な気持ちになった人もいるかもしれません。

ただ、どうしてもこれは文章として形に残したかった。

皆さんは来季以降のバルサに何を期待しますか?

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