【マッチレビュー】19〜20シーズン/リーガ第1節/ビルバオVSバルセロナ/1-0●

★スタメン GKテア・シュテーゲン  DFは右からセメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ 中盤はピポーテにフレンキー、右インテリオールにセルジ・ロベルト、左にアレニャー  3トップは右からデンベレ、スアレス、グリーズマン

両チームのスタメン

○ベンチ イニャキ・ペーニャ,ウムティティ,ジュニオル,ラキティッチ,ブスケツ,ラフィーニャ,カルレス・ペレス

★試合の流れ

さぁ新シーズン。メッシ不在のまま開幕です。ビルバオのホーム、サン・マメスでの一戦。難しい試合になるとは思っていましたが…。試合の流れから振り返っていきましょう。

バルサのスタメンはおおよそ予想通り。注目された中盤の組み合わせですが、プレシーズンでも試されていた(という)フレンキー、アレニャー、セルジ・ロベルトの3枚になりました。ブスケツ、ラキティッチはベンチスタートです。

キャプテンマークはピケ。

○前半

まずは両チーム、無理をしない落ち着いた入りになりました。お互いプレッシング・球際は厳しく行くものの、そこまでリスクを冒して攻め込みません。相手のミスが出るのをじっくり待ちます。

ファーストシュートは7分。ビルバオでした。バルサ右サイド、デンベレの軽率なバックパスミスを拾ったウィリアムズが単独で運び、ペナ外から右足シュート。いいコースに飛びますが、GKテアが右手一本でコーナーに逃れます。相変わらずのデンベレ、そして流石のテア・シュテーゲン。

15分にもビルバオの決定機です。左サイドバック、ユーリからのスルーパスに抜け出したウィリアムズ。GKと1対1の状況になりますが、角度がやや悪かったですね。これもテアがしっかりセーブします。

バルサは、相手陣地から1本のパスでピケ、ラングレの両CB間の間を抜け出したウィリアムズに簡単に決定機を作られてしまいました。

ビルバオにとっては狙い通りの攻撃。バルサとしては、シーズン通して悩まされる形になりそうです。

バルサはビルバオのプレスを前に、うまくボールを運べません。フレンキー、アレニャーあたりはなんとかボールを引き出し、レベルの高いボールキープを見せるんですが…。特に両サイドの縦関係(右セメド・デンベレ、左アルバ、グリーズマン)の連携が悪く、シュートまで持ち込めません。

ビルバオにボールを持たれる時間も長くなります。その間は、グリーズマン、デンベレの両ウイングが深い位置までしっかり下がり、4(DF)-1(フレンキー)-4(WG/MF)-1(スアレス)のブロックを形成。

メッシが帰ってきた場合はどうするんだ? なんて感じましたが、これについては別記事で取り上げたいと思います。

そんな中、バルサの今季初シュートは前半32分。相手MFの完全なバックパスミスからチャンスです。プレッシングを掛けてゴール前に残っていたスアレスに、チャンスボール。振り向きざまに左足シュートを放ちますが、ボールはポストを叩きました。相手に貰った決定機を生かせません。

と、ここでアクシデント。その直前のプレーで右ふくらはぎを痛めていたスアレスが倒れこみます。結果的にラフィーニャと交代。開幕戦の前半途中でスアレスが離脱してしまいました。

この交代で、前線の並びは右からラフィーニャ、グリーズマン、デンベレとなりました。

前半はこのままスコアレスで終了。ポゼッション率はバルサ60:ビルバオ40でしたが、ペースは完全にホームチームでした。

○後半

何かを変えたいバルサ。バルベルデの判断はアレニャー→ラキティッチでした。

ハーフタイムの時点で2枚の交代カードを使います。立ち位置は、ラキティッチが右、セルジが左。後半開始時点でのフォーメーションは以下のようになりました。

後半開始時点での両チームのメンバー

ラキティッチ投入で、攻守に安定感が生まれました。そして、前半途中からピッチに入ったラフィーニャ。かなり中気味にポジションを取りつつ、オフザボールの動きを絶やさず行うため、ボールが循環するようになります。中央に人が多く集まったため、ネガティヴ・トランディション(攻→守の切り替え)の面も改善されました。

少しずつ相手を押し込み、ゴール前まで迫るようになります。

7分には左サイド深くまで走り込んだラフィーニャにスルーパスが通り、シュート。最後は相手DFのブロックでゴールとはなりませんでしたが、徐々に得点の匂いがし始めます。

ただ、その後はボールを持ちつつもチャンスを作れません。グリーズマンは我慢して我慢して、前線(中央)に残ってスペースを作る働きをしますが効果薄。デンベレも期待外れで、ラキティッチ、セルジ・ロベルトでは最後の質が足りません。

唯一、得点を感じさせたのはラフィーニャですが、持ちすぎの場面もありました。

そんなこんなで0-0のまま試合は終盤に。「このままスコアレスか。まぁメッシのいない開幕戦で、アウェーのサン・マメスなら…」なんて思っていると。

あの男が投入されます。今シーズン限りでの引退を表明しているビルバオのレジェンド、アドゥリス。そして魅せるんです。この選手は。

43分の投入からわずか1分後。

右サイドのクロスに下がりながら右足バイシクルシュート。文章ではうまく説明できません。皆さん見ましたよね?正真正銘のゴラッソでした。まだ見ていない方、このシーンだけでも見る価値はあります。ぜひ。

アドゥリスのことは下のトピックスでも少し触れますので、このあたりで。

とまぁ、バルサは完全にアドゥリス劇場の引き立て役となってしまった訳です。

反撃の雰囲気も無く、このまま試合終了。いろんな意味で不安になってしまう開幕戦でした。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン  6.5点

相変わらずの安定感。失点シーンはタイミング的にもノーチャンスでした。ネトが長期離脱中なので、とにかくケガだけは気をつけてほしいですね。

CBピケ 6点

大事な開幕戦でキャプテンマークを巻きました。画面越しでもピケの闘争心は伝わりましたが、結果は敗戦。個人としてのプレーは悪くありませんでした。

CBラングレ  5.5点

ウィリアムズの斜めのランニングに苦しみました。この日はビルドアップも含めてイマイチな印象。レギュラーの座をこのまま守れるか。ウムティティも黙っていないでしょう。

RSBセメド 5.5点

平均以下の評価です。ムニアインとのマッチアップは負け。裏のスペースもうまく使われました。攻撃面でも目立った活躍は無し。特に後半、ラフィーニャが作ったスペースをもう少しうまく(広く)使って欲しかったです。

正直、このレベルのプレーが続くようなら、私はセルジ・ロベルトの右サイドバック復活まであると思います。

LSBジョルディ・アルバ  6点

良くも無く悪くも無く。今言うなって話ですが、アルバにとってコウチーニョは良いパートナーだったと思います。グリーズマンとの関係はこれからですが、デンベレとのコンビは厳しいです。

MFフレンキー 5.5点

あえて厳しく、平均以下の評価にしました。ボールを持つと、もちろんうまい。守備も悪くない。走れるし、戦える。ただ、そんなのは昨シーズンから知っていることです。去年のアルトゥールとは違い、期待値も高い分、こちら側も欲張ってしまいます。

この試合の出来を見ている限り、「バルサのピポーテ」という面ではブスケツより2.3ランク下だと思います。まずは、インテリオールでプレーさせて欲しい。

とにかく、次節までにフレンキーの記事を書く(予定)のでこれくらいにしておきます。

MFアレニャー 6点(後半1分OUT)

戦術の犠牲というか、なんというか。個人的には、前半の中では目立って良いプレー(特にボールを持った時)をしていたと思ったんですけど。ハーフタイムで交代してしまいました。

ラキティッチが入って安定感が増したのは明らかですが、アレニャーはその役割を求められている訳ではありません。そういう意味では、仕方ない交代だったのかなとも思います。

MFセルジ・ロベルト 5点(後半31分OUT)

及第点以下ですね。意識的なフリーランニング、守備面、もちろんチームのためにしっかりプレーしていたんですが、バルサのインテリオールで出場するからには攻撃面でもっと大きな役割をして欲しい。

ただやはり、セルジも「メッシを生かす」という意味では本当に替えの効かない選手だと思います。右サイドバックでもウイングでも。

FWデンベレ 3.5点

全然ダメなデンベレでした。相変わらずのボールロスト。軽率なパスミス。そして、ギリギリまでボチボチ頑張っていた守備も最後の最後にサボってしまい、失点の原因に。

そして全治5週間のケガですよ。はぁ…。

FWグリーズマン 5点

プレシーズンではうまく適応したようなイメージだったんですが、この日はほとんどボールに関与できませんでした。アルバとのコンビもまだまだ。中央に入ってからは、我慢して相手DFラインを下げる動きを繰り返しましたが、効果は薄かったですね。

メッシとの絡みを見てみないとまだ何とも言えませんが。まぁ、グリーズマンのレベルならうまく関係性を築いて、自分も活躍してくれるようになるでしょう。

FWスアレス 4点(前半37分OUT)

唯一のチャンスも決めきれず、ケガで前半途中交代です。このままケガ→復帰→ケガが繰り返されるようだと、今季がバルサでのラストシーズンになってしまうかも。そうならないように願います。

○交代出場

FWラフィーニャ  6.5点(前半37分IN)

この敗戦の中で、唯一輝いて見えた選手です。前半終了間際にはカットインから左足シュートで決定機、後半にもドリブル突破などから単独でチャンスを作りました。

コウチーニョ移籍、メッシ、デンベレ、スアレスのケガで前半戦はチャンスをもらえそう。ここを生かせるか。

MFラキティッチ 6点(後半1分IN)

後半開始から出場。やはり安定感は抜群です。気の利くポジショニングでフレンキーを助けました。手放してはいけない選手です。

FWカルレス・ペレス 5点(後半31分IN)

プレシーズンでの働きを評価されて、開幕戦出場を勝ち取りました。もっとがめつく行っても良かったと思います。ペレスもラフィーニャ同様、ケガ人が戻ってくるまでチャンスがあると思います。

★トピックス

・【バルサ】大切なのは切り替え ネガティヴになるな

あれこれ書いてきましたが、まずはこれです。そこまでネガティヴになる必要はないと思います。Twitterでも少し言いましたが、この試合は長いシーズンのたかが1試合です。メッシも不在です。いきなりケガ人も増えましたが、大丈夫です。

昨シーズンまでも、ペップバルサでさえこんな試合は数多くありました。アウェーのビルバオ戦は特に大変です。

バルサの公式ツイート、リプライ欄には#ValverdeOut が連なり、私のタイムラインにも悲観的な意見がたくさん流れてきましたが、そんなに不安にならないで下さい。

私はバルベルデ反対派、ネイマール復帰派ですが、この試合で全てを判断するのは絶対にダメだと思っています。

むしろ、大切なのはメッシが復帰してからだと思っています。

・【バルサ】ボールの失い方(失点シーン) 不安定なビルドアップ

さて、ビルバオ相手のアウェー開幕戦、メッシ不在、連携不足という点を踏まえても、失点シーン(ボールの失い方)はしっかりと反省しなければいけません。ビルドアップのミスが原因でした。

失点直前の場面(図1)

上の図1は、後半44分に失点する直前、バルサ(GKテア)がボールを保持していた場面です。この状況でテア・シュテーゲンは左のアルバ(黄18)へのロングパスを選択。これが長くなり、相手スローイン→失点につながりました。

まぁ、失点そのものはアドゥリスが上手かったことと、デンベレがサボったことが原因なんですが、ボールの失い方(ビルドアップのミス)も問題でしたね。

図を使いながら解説します。

まず状況を確認。
【図面上の局面】
・ボールを保持しているバルサ→GK+DF4+MF3=8人
・ボールを奪いに来たビルバオ→MF5+FW1=6人
【図面外の局面】
・バルサ→FW3人
・ビルバオ→GK+DF4人

インプレーなので、ビルバオはGKのテアまでプレッシャーをかけてきました。

バルサにとっては数的有利(8対6)。ただ、ビルバオ守備陣の組織されたプレッシングでパスコースが限定されます。テアは出すところが無い。「ハメられている」状況になった訳です。ここを脱出できませんでした。

リーガ中位〜下位なら、ダダ引き→ロングカウンターのサッカーをしてくるチームもあるでしょう。ただ、上位チームやCL決勝ラウンドで戦う相手は確実に前線からのハイプレス→ショートカウンターを狙ってきます。

なぜこんなに長々と説明しているかと言うと、バルサは今後も、このような守備(プレッシング)に確実に苦しむことになるからです。図1のような局面が試合中に何度も生まれます。

これが最も嫌な形です。昨季CL準決勝2ndリヴァプール戦(後半)のように、相手陣地までボールを運ぶことすら困難になります。

図1の場面で言うと、ラフィーニャ(黄12)がスペースでうまくボールを受けられれば良かったんですが。

ここをどう打開していくか。スペースの使い方、ポジショニング、選手の組み合わせなどなど、バルベルデがシーズンの早い段階である程度の答えを出せるでしょうか。注目したいと思います。

・【ビルバオ】アドゥリス劇場

さて、ビルバオについても少しだけ。何と言ってもアドゥリスですよね。開幕節ですが、年間最優秀ゴール候補にノミネートされてもおかしくないレベルのゴラッソでした。

直前にベンチに下がったウィリアムズが、笑顔で拍手していたのも印象的でしたね。

ここ2シーズンは不安定な戦いだったビルバオですが、今季はポジティブな要素も多い。ぜひ4位争いに加わって欲しいと思います。アドゥリスには有終の美を飾る良い1年を過ごしてもらいたいですね。

★最後に

またまた執筆が遅くなった間に、いろいろありました。コウチーニョはバイエルンへのレンタル移籍が決まり、スアレス、デンベレが負傷。メッシは次節から復帰するでしょうが、人員過多だった前線は一気に駒不足になりました。

グリーズマンの起用法や中盤の組み合わせも含め、メッシが復帰してどうなるか。

次のベティス戦、もう一度開幕戦のような気持ちで頭をフレッシュにして楽しみたいと思います。

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