【マッチレビュー】19〜20シーズン/リーガ第4節/バルセロナVSバレンシア/5-2○

★スタメン GKテア・シュテーゲン  DFは右からセメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ 中盤はピポーテにブスケツ、右インテリオールにフレンキー、左にアルトゥール  3トップは右からペレス、グリーズマン、アンス

○ベンチ イニャキ・ペーニャ,トディボ,ジュニオル,ラキティッチ,ビダル,セルジ・ロベルト,スアレス

★試合の流れ *得点に関わる場面は赤文字

メッシ復活前のバルサ。3節オサスナ戦で同点ゴールを挙げたアンスが先発に抜擢されました。中盤も、オサスナ戦後半で好印象を見せたブスケツ、フレンキー、アルトゥールのトリオです。

マルセリーノが電撃解任されたバレンシアは予想通りのメンバー、そしてこれまで通り4-4-2で挑みます。新監督セラーデス、この難しい状況でどう舵を取るか。

試合前の通路、つい最近までバルサに所属したシレッセンや、スペイン代表で友人も多いパレホやガヤも笑顔を見せていました。チームの雰囲気はそこまで悪くなさそう。

いつも通り、バレンシアのコンパクトな4-4-2に苦しめられるかと思いましたが。試合は予想外のスタートになります。

○前半

いきなりのゴールです。2分。

深く攻め込んだ状況→最後方のピケにボールが渡ったところからです。ボールは右サイド大きく開いてフリーになったペレスへ。ペレスはドリブルで運び、ペナルティーエリア付近で一瞬フリーになったフレンキーにボールを入れます。

相手DFがペレスのパス&ゴーの動きにつられ、フレンキーに対する寄せが甘くなりました。余裕を持ったフレンキーは中央にグランダーパス。

ニアに走り込んだグリーズマンはスルー。後ろからフリーで走り込んだのは、16歳アンス・ファティでした。右足ダイレクトで見事に流し込んで2試合連発!

バルサはキレイな崩しから、あっという間に先制点をゲットします。

それにしてもアンス。あれを決めてしまうあたりが特別な選手です。

この得点シーン、アシストとゴールを記録したフレンキーとアンスはもちろん素晴らしかったのですが、ペレスとグリーズマンの動きも見逃せない部分なので、下のトピックスで詳しく解説します。

ひとまず、試合の流れに戻りましょう。

続いてのゴールもすぐでした。7分。今度は左サイドから。

アルバからのパスで完全にヴァスの裏を取ったアンス。ドリブルでペナルティーエリアに侵入し、CBガライを縦にかわしてマイナスのクロス。

走り込んだフレンキーが右足インサイド(しっかり面に当てて)で押し込んで追加点をゲットします。フレンキーはバルサでの初ゴール。そしてまたしてもやりました。アンス・ファティ。

1点目とゴール、アシストが入れ替わる形での得点でした。得点後、一目散にアンスに駆け寄るフレンキー良い奴。

解説の川勝さんも言っていましたが、バレンシアの良い守備が出る前に出鼻をくじく2得点。とても価値のある7分間だったと思います。

フレンキー、アルトゥールの両インテリオールはポジションを入れ替えながらビルドアップでブスケツをサポートし、ボールロスト後の切り替えも全体として早かったですね。

その後はしばらく決定機こそ生まれませんが、バレンシアを圧倒し続けます。

ただ、27分、一瞬の隙を突かれて1点を返されます。

相手の遅攻。バルサが自陣に構えた場面でした。CBガライから、中央(DFとMFのライン間)に落ちてフリーになったロドリゴへ速い縦パスを入れられると、ワントラップからボールは斜めに走り込んだガメイロへ。

完全に抜け出したガメイロはGKテアとの1対1を冷静に制して、右足のシュートを流し込みます。これで2-1。

オフサイドの旗が上がりましたが、VARの結果ゴールが認められました。明らかにオンサイドでしたね。

ブスケツがブロックから飛び出してボールを奪いに行ったスペースを使われて、簡単にゴールを許してしまいました。

1失点目のシーン

ガチャガチャしてて分かりにくいですが、2失点目のシーンです。いろんな要因がありますが、大きく分けると、

・中央にいるはずのブスケツが釣り出されたこと
・そして戻りが間に合わなかったこと
・両インテリオールのポジショニングが悪かったこと
・ピケがついていかなかったこと(コーチングが遅れたor聞こえなかったこと)

あたりですね。中でもアルトゥールの位置がマズかったです。この場面も含めた「中盤の守備」の部分も下のトピックスでもう少し深く掘り下げます。

さぁ、再び話を試合に戻しましょう。

圧倒的に試合を支配していたものの、ワンチャンスを決められて1点差。

その後もボール支配はバルサ。バレンシアも落ち着きを取り戻し、大きく試合は動かずスコアは2-1のまま前半を終えます。

○後半

両チーム、ハーフタイムでの交代はありません。

後半も、いきなりのゴールを奪ったのはバルサでした。

6分。バルサ右コーナーキックが大きくクリアされたところからの攻撃です。

下がってボールを受けたアルトゥールが、中央ドリブルで2人をかわして前進。右に少し開いた位置から中央に走り込んだグリーズマンにボールを渡します。

グリーズマンは、細かいタッチから左足一閃。このシュートをシレッセンが弾き、ボールがこぼれたところを残っていたピケが押し込みゴール。リードを広げる貴重な3点目をゲットします。

15分には、アンスに代わってケガから復帰のスアレスが投入されます。開幕戦以来のピッチ。スアレスが中央に入り、グリーズマンが左ウイングに移りました。

ここからは、もう、スアレス劇場です。

まずは投入直後の16分。

中央左でボールを受けたアルトゥールからの縦パスを受けると、ターンで他の選手を使うと見せかけて相手マークを遠ざけ、意表をついた右足シュート。シレッセンも予想外のタイミングで裏を取られたかっこうでした。

ストライカーらしいゴールでいきなり結果を残します。

斜めに走り込んだペレス、右サイド後方から走り込んだセメドもいい囮になりましたね。

3点差がついても攻め続けるバルサ。

チャンスを作りつつも、なかなか追加点はあげられませんでしたが、37分に5点目をゲットします。

ゴール前まで攻め込んで、一度はクリアされたボール。ペナルティーエリアすぐ外で、ブスケツがすぐに回収します。ダイレクトでボールを受けたグリーズマンは、状態の良いスアレスに優しい落とし。

スアレスはダイレクトでニアに右足シュートを打ち抜き、この試合2点目。1点目と同じような形のゴールを決めました。それにしても役者が違う。

4点差をつけて、試合を決めたバルサ。

試合終了直前の47分には、途中出場のマキシ・ゴメスに移籍後初ゴールを献上してしまうという悪い失点グセは出てしまいましたが。

何はともあれ、難敵バレンシア相手に5-2の快勝。3節オサスナ戦の嫌な引き分けを払拭し、いい形でCL初戦を迎えることができます。

それにしてもポジティヴな要素が多かった試合でしたね。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン  6点

2失点ともにノーチャンス。ここ3試合連続で複数失点。4試合で7失点は多すぎますが、テアだけの責任ではありません。

CBピケ 6.5点

価値あるチーム3点目をゲット。守備面での改善(特に相手の遅攻の場面)はチーム全体として必要です。

CBラングレ  6.5点

クリーンでクレバーな守備はこの日も光りました。ただ、失点。もちろんDFラインだけの責任ではありませんが。

RSBセメド 6.5点

ダメダメだった前節とは別人のような出来でした。攻め上がりのタイミングもよく、守備は相変わらずの安定感。

後半は意外性のあるシュートも放ち、存在感を示しました。

継続して起用したバルベルデにも拍手を送りたいと思います。

LSBジョルディ・アルバ  6.5点

いい動き出しはたくさんあるんですが、ボールが来ない。本人としてもフラストレーションは溜まっているでしょう。ただ、相変わらずの運動量、貢献でチームには欠かせないピースです。

メッシ復帰はもうすぐですよ。

MFブスケツ 7点

中盤の舵取り役として、そして守備のファーストフィルターとして申し分ない働きでした。

昨季、アルトゥールと同時起用された試合はポジションが被ってビルドアップがままならないというシーンがあり、お互いに(特にアルトゥールが)批判されましたが、このところは、「ブスケツがアルトゥールのために立ち位置を変えて」プレーしやすくしてあげているように感じます。

改めて、見どころの多い選手です。

MFフレンキー 8.5点(後半25分OUT) ★MOM

ガチャ的にはMOMです。1G1Aもそうですが、この日アヤックス時代のダイナミックさが存分に感じられました。

長距離をドリブルで運んだり、相手DFとMFのライン間→裏のスペースに何度も走り込む、ロングランが有効でした。そして、もちろんボールを持っても一級品。パスの正確性、特にダイレクトのパスがめちゃくちゃうまかったです。

MFアルトゥール 7.5点(後半28分OUT)

オサスナ戦の良い流れをそのまま発揮しましたね。フレンキーと立ち位置を変えながら、ビルドアップや最後の崩しに何度もチャレンジし、成功させました。

守備面での成長はまだまだ必要です。

FWカルレス・ペレス 6.5点

川勝さんはボロクソ言ってましたが、良かったんじゃないですか?

この人の場合、自分がボールを持った場面や、数字に表れない貢献があります。まず、右サイドに広さと深みを作れているところ。それだけでバレンシアのコンパクトな4-4-2が広がり、中央にスペースを作れました。

1点目、4点目はフリーランニングでゴールの起点になりましたし。

確かにボールを持った時の質やパス出しのタイミングはまだまだですが、現状では欠かせないピースになっています。

FWアンス・ファティ 8.5点(後半15分OUT) ★MOM

フレンキーと並ぶMOMです。

16歳という贔屓目なしにしても、開始7分での1G1Aは立派すぎます。あのゴールをバレンシア相手に簡単に決めてしまうんですから、恐れ入りますよ。

もちろん、多すぎるボールロストや「若いな」と見られてしまうようなプレーもありましたが、補って余りある活躍です。すごすぎ。

FWグリーズマン 6.5点 

ゴールこそありませんでしたが、グリーズマンらしく味方を生かすプレーは見せました。1点目のスルー、3点目の起点となったシュート、5点目のアシスト。さすがです。

○交代出場

FWスアレス 8点(後半15分IN)

ピッチに立ってわずか1分でゴール。そして2得点。どちらのゴールもストライカーらしさ(スアレスらしさ)が出たスーパーゴールでした。

9歳で亡くなってしまったルイス・エンリケさんの、娘シャナちゃんに捧げたゴールパフォーマンスも彼らしい。スアレスも同じくらいの年齢のお子さんがいますもんね。

とにかく、最高の復帰戦でした。

MFラキティッチ 5.5点(後半25分IN)

出場時にはカンプ・ノウから大きな拍手が。やはり、現地ファンもこの人の貢献度、人間性、そして今季も必要な戦力であるということを認めているんでしょう。

久しぶりの出場で、珍しくボールが足につかないシーンなんかもありましたが、いつでもどんな展開でも全力でプレーする姿勢には頭が上がりません。

MFアルトゥーロ・ビダル  採点不可(後半28分IN)

ビダルにも、カンプ・ノウからは大きな拍手。やはりこの人も、大きく点差が開いた展開でも全力。前線から必死にボールを追いかけていました。ありがたい。

アンスがベンチに下がった場面では、1人立ってアンスをハグ+笑顔で迎え入れていました。こういった振る舞いも一流そのもの。チームにいて本当に助かる、そんな選手ですね。

★トピックス

・【バルサ】注目したい1点目 カルレス・ペレスの価値

アンス・ファティは分かり易すぎるくらい結果を残しているので、ペレスについて少し。解説の川勝さんは、結構ボロクソ言っていましたが、私的には良かったと思います。

1点目のシーンを見ていきましょう。

バルサ1点目のシーン

図にもかなりの文字数を入れているので、あまり書くことはありませんが。ペレスのフリーランでフレンキーがフリーになりゴールが生まれました。単純なパスゴーですが、ペレスは絶対にサボらずこの動きをします。フリーランニングがうまい。

バルサ3点目、スアレスのゴールの場面もペレスが斜めに走り込んだことでスアレスがフリーになり、ゴールが生まれました。

話を1点目に戻します。このシーンの直前、ペレスは大きくサイドに開いてボールを受けました。幅を取ることで相手のライン間の距離が少しずつ大きくなり、フレンキーやアルトゥールが走り込んだ時のスペースが空くんです。

もちろん、この得点シーンに関しては、この位置に入り込みフリーになったフレンキーも素晴らしかったですね。

そして最後に、この得点シーンのグリーズマンについて少しだけ。よく見るとわかるんですが、ただニアに走り込むだけでなく、シュートモーションのような細かいステップを入れて、しっかりと相手CBを引きつけているんです。しっかりと。これでアンスは完全にフリーになりました。

やはり世界最高クラスのFWは違いますね。

【バルサ】諸刃の剣か? 美しい中盤トリオ

上にも少し書きましたが、ブスケツ、フレンキー、アルトゥールの中盤トリオです。見ていて楽しい、バルサらしい中盤の組み合わせです。

ただ、1失点目に代表されるように、守備面で成熟されているとは言えません。

今季のバルサはここまで、相手の遅攻(バルサ自陣での守備)の場面では4-5-1(4-1-4-1)のような形でブロックを作って守ります。

そのど真ん中であるブスケツが釣り出されると、ゴールに近い、相手にとって狙いであるスペースを空けてしまうことになります。

1失点目のシーン

使い回しですが、この図で言うとロドリゴの位置です。相手FWがここまで上がると、CBのピケやラングレはついていけません。この場面であれば、アルトゥールが気を利かせて中央のスペースを閉じる必要がありました。

タラレバではありますが、ラキティッチやビダルならしっかりと閉じてくれていたでしょう。

このように、この3人(ブシ、フレンキー、アルトゥール)で組むと、攻撃面(特にビルドアップ)ではかなりの安定感を生み出せますが、自陣引いての守備では弱さを見せてしまいます。

バルベルデは今後、この問題をどう解決するか。

ただ、この3人がトリオを組んでプレーしたのはまだ1試合と半分ほど。単純な高さや強さはどうにもできませんが、ポジショニングを改善することはできます。

何より、バルサは「攻撃が最大の防御」のチーム。極端に言うと、ずっとボール支配し続ければ良いんですしね。

このトリオの成熟が楽しみです。

★最後に

またまた更新が遅くなってすいません。ドルトムント戦前ギリギリになってしまいました。

とにかくCLです。メッシも復帰しましたし、楽しみましょう!

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