【マッチレビュー】19〜20シーズン/リーガ第33節/バルセロナVSアトレティコ・マドリード/2-2△(前編)

★両チームのスタメン(バルサのベンチメンバー)

両チームのスタメン

★得点(アシスト)と警告・退場

・得点
 前半11分【バルサ】オウンゴール(ジエゴ・コスタ)
 前半19分【アトレティコ】サウール(PK)
 後半5分【バルサ】メッシ(PK)
 後半17分【アトレティコ】サウール(PK)

・警告(イエローカード)
 【バルサ】 テア・シュテーゲン,ピケ,メッシ(3枚)
 【アトレティコ】 サウール,フェリペ,ジエゴ・コスタ,カラスコ,ルマル(5枚)

・退場者(レッドカード)
 【バルサ】 なし
 【アトレティコ】 なし

★試合の流れ *得点に関わるシーンは赤字

優勝に向けて勝つしかないバルサ。セティエン体制では初?となる4-4-2のシステムで試合に挑みます。プッチがこの大一番でスタメン。グリーズマンはベンチスタートです。

対する3位アトレティコ 。こちらはフラットな4-4-2で戦います。チームの心臓コケは出場停止。左サイドには中国から復帰したカラスコが入り、FWとして覚醒したジョレンテがジエゴ・コスタと2トップを組みます。

○前半

まず注目はバルサのフォーメーション。おじさんトリオ+プッチの中盤4人がどう配置されるのか。答えはダイヤモンド型でした。ブスケツが底、ビダル、ラキティッチが左右に入り、プッチはトップ下です。

バルサのボール保持、非保持を図にしました。相手陣地です。

ボール保持(図1)

まずはボール保持。アルバが高い位置をとり、そのスペースをラキティッチが埋める。単純ですが、カウンター対策としては有効で、チームのバランスは取れている気がしますね。

プッチはボールサイドに寄って自由に動き回り、メッシと近い位置でプレーをする。ビダルとスアレスがDFラインと駆け引きして攻撃に深みを作ろうとします。

ボール非保持(図2)

次にボール非保持。プッチは少し下がってボールを受けようとするトーマスに対してほぼマンマークのような形。アトレティコは当然、メッシがいる左サイドから攻撃を組み立てます。

ロディが高い位置をとり、カラスコがハーフスペースでボールを引き出す。実際にこのサイドでバルサはほぼ数的不利を作られる形になり、セメドとビダルは相当な運動量を求められました。

試合は開始直後からオープンな展開に。基本的には「バルサがボール保持、アトレティコはブロックを作って守備」で進みますが、バルサが人数をかけて高い位置からプレスをかけるため、すぐに奪えればチャンスに、逆に脱出されるとすぐにピンチに。

そんな11分。思わぬ形でバルサが先制に成功します。

右からのコーナーキックです。メッシが蹴ったニアに速いボールに走り込んだブスケツが合わせ、それに反応できなかったジエゴ・コスタがオウンゴール。これでバルサが一歩リード。

ただ、守備の欠陥を突かれてすぐ同点に追いつかれてしまいます。

15分。バルサ右サイドで守備がずれたところ。カラスコがサイドでピケをぶち抜いてペナルティーエリア内に侵入。戻ったビダルにうまくファールをもらい、PKを獲得します。

キッカーはジエゴ・コスタ。テアが完全に読んでストップするも、キックより先に足がラインを離れていたということでやり直し。

代わりに蹴ったサウールが落ち着いて流し込み、アトレティコが同点に追いつきます。(得点は19分)

バルサとしては、完全に穴を狙われて失点を喫しました。

PK献上につながった場面(図3)

スタートはオブラクから。バルサの前線2枚が中央に寄っているところ、素早く左のロディにボールを送りました。

この時、バルサの選手でボールに最も近かったのはスアレス。ただ。このシーンを振り返って貰えば分かりますが、完全に途中で追うのをやめました。サボりました。

これでセメド、ピケがつり出されて、速攻からPKを献上。ピケとビダルの対応も軽率でしたが、どちらにしてもメッシスアレス同時起用による失点とも言えます。はい。

さて、試合に話を戻しましょう。その後も同じような展開。

バルサはボールを支配しつつも、なかなか攻め込めない。チャンスを迎えるのは、高い位置でプレスをかけてボールを奪えた時のみです。ショートカウンターのような形でしかゴールに迫れませんでした。

逆に、アトレティコはそのプレスを回避するとシンプルな攻撃でチャンスを作りました。

前半は1-1で終了。バルサのボール支配は72%でした。

○ハーフタイム

両チーム、ハーフタイムでの交代はありません。

○後半

開始直後、今度はバルサがPKを獲得します。スアレスの壁パスに走り込んだセメドが、フェリペに倒されました。

蹴るのはもちろんメッシ。名手オブラク相手にパネンカ(チップキック)で決めて自身通算700ゴールのメモリアル弾。バルサが再びリードを奪います。(得点は5分)

ここから落ち着いてリードを保ちたいバルサ。セルタ戦に比べると落ち着いてボールを支配している印象でしたが、一瞬の隙を突かれてまたもやPKを献上。

キッカーは再びサウール。今度はテアが反応しますが、ボールは手を弾いてゴールイン。惜しかったです。(得点は17分)

その後はお互い選手を交代しながら仕掛けますが、試合は動かず。

勝つしかないバルサはファティ、グリーズマンの投入で前線の人数を増やし、最後はピケを上げるなどバランスを崩してでも得点を狙いますが、ゴールは奪えず。

このまま終了のホイッスル。

バルサはこれで優勝が絶望的になる引き分け。アトレティコはアウェーで真っ向から戦い、勝ち点1を持ち帰りました。

★個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン 6点

PKで2失点。どちらも悔しい、惜しい失点になりました。ビルドアップの安定感、ロングパスの精度はさすがでした。

CBピケ 5.5点

カラスコにブチ抜かれて1失点目の原因に。あそこはクレバーに対応して欲しかったです。

CBラングレ 7.5点

このビッグマッチでも圧倒的な安定感を披露。絶好調ジョレンテをしっかり完封し、仕事をさせませんでした。

RSBセメド 6点

PK獲得とPK献上が一つずつ。守備時は常に数的不利でカラスコ、ロディの2人に対応する必要があり、さすがにしんどそうでした。最後までよく走った。

LSBジョルディ・アルバ 6点

前半開始早々、相手左サイドからのクロスに対してしっかり戻ってクリアしました。あれは1点ものでした。攻撃面では目立ちませんでしたが、セメド同様しっかりと走りました。

MFブスケツ 6点(後半40分OUT)

マイボールになるとほぼノンストレスでプレーできました。押し込んだ場面でのポジショニング、回収はさすがでした。

MFアルトゥーロ・ビダル 6点(後半45分OUT)

簡単なミスもありましたが、チーム内で最もゴールの匂いがする選手でした。26分、自身のクイックリスタートから迎えたチャンス、惜しかった。

MFラキティッチ 6点(後半18分OUT)

アルバの後方をカバーするため、偽サイドバックのようなポジショニングでプレー。慣れないことをしたんでしょうが、それでも無難にこなしました。

MFリキ・プッチ 7.5点

圧倒的でした。トーマス相手にもバチバチやり合い、ほぼ互角に渡り合いました。攻撃では何度もボールに触ってリズムを作り、守備でもがむしゃらに走り闘いました。

後編のトピックスでスタッツを見ながらさらにプッチのプレーを振り返ります。

FWメッシ 6点

パネンカでPKを決めプロ通算700ゴール達成。

さすが、この試合が持つ意味をよく分かっています。守備でもよく走り、気持ちを見せました。珍しく感情を露わにしてイエローカードをもらうシーン。

ただ、ボールロスト29はちょっとあり得ない数字です。それだけドリブルもパスも引っかかっているシーンが多かった。

FWスアレス 4.5点

瞬間的には良いプレーもありましたが、あれだけの少ない運動量で仕事0はダメ。扱いが難しいですが、正直もう限界じゃないかと思います。

○交代出場

MFセルジ・ロベルト 6点(後半18分IN)

ケガから復帰して4試合ぶりの出場。約30分間のプレーでしたが、左インテリオール(偽サイドバック)、ピポーテと3つのポジションをしっかりこなしてさすがの万能さを見せました。

やはりチームに欠かせない男です。

FWアンス・ファティ 6点(後半40分IN)

残り10分でも存在感を発揮。ボールを受ける仕草やドリブルの姿勢には貫禄すら漂っています。本当に17歳とは思えない。

FWグリーズマン 採点不可(後半45分IN)

古巣対戦はまさかの出場時間5分。しかも全く試合に入れず、ボールタッチはほぼミスでした。

★最後に

「少しボリュームが多くなりそう+これだけでも早くアップしたい」という理由で、今回は前後編に分けて書かせて頂きます。

後編のトピックスでは、
・4-4-2で挑んだセティエンの狙い
・偽SBの可能性
・リキ・プッチ

などについてまとめます。7月2日中には必ずアップしますので、お待ち下さい。

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