【マッチレビュー】18〜19シーズン/リーガ第22節/バルセロナVSバレンシア/2−2

スタメン GKテア・シュテーゲン DFラインは右からセメド、ピケ、ベルマーレン、セルジ・ロベルト 中盤はピポーテにラキティッチ、右インテリオールにアレニャー、左にアルトゥーロ・ビダル 3トップは右からメッシ、スアレス、コウチーニョ

ベンチ イニャキ・ペーニャ ラングレ ムリージョ ジョルディ・アルバ アルトゥール ボアテング マウコム

試合の流れ・・・セビージャ戦で素晴らしい試合をした後、そして4日後にはクラシコを迎える状況でのゲームになった。ブスケツ(出場停止)、ラングレ、ジョルディ・アルバ 、アルトゥールの4人を温存しつつ、南米3トップは先発起用。バルベルデはしっかりと勝ち点3を積み重ねるためのメンバー構成で挑んだ。

バルサは開始から、オーソドックスな4−4−2コンパクト(だいたい縦30横40メートル)な3ラインを形成するバレンシアの守備に苦しめられる。押し込んだ時間帯はガメイロ、ロドリゴの2トップがラキティッチのラインまで下がり、なかなかスペースを見つけられない。バルサがボールを持ちながらも、バレンシアのペースで試合が進む。

前半3分、メッシのサイドチェンジを悪い形で引っ掛けられ、パレホ→ヴァス→パレホとつながりシュート。これはテア・シュテーゲンがセーブし、こぼれ球に反応したチェリシェフのシュートはポスト直撃で難を逃れる。

チャンスらしいチャンスを作れないまま迎えた前半24分、メッシのボールロストから先制点を与えてしまう。相手陣地深くでボールを持ったメッシがパレホにボールを奪われると、そこからバレンシアの速攻が炸裂。ロドリゴがラキティッチの脇のスペースをドリブルで運び、最後は裏にスルーパス。オフサイドラインぎりぎりでうまく抜け出したガメイロがテア・シュテーゲンとの1対1を冷静に制した

続いて31分、ガメイロとピケが治療でピッチ外にいる時間だった。バルサは右サイドを崩されセンタリングを上げられると、飛び込んだヴァスをセルジ・ロベルトが後ろから倒してしまいPKの判定。キッカーのパレホがしっかりと蹴り込み、バルサはリードを2点に広げられた(得点は32分)。前半でまさかの2点ビハインドを背負うことになった。

ここからバルサの反撃。前半37分、ペナルティエリア内でビダルからボールを受けたセメドが倒されてPKを獲得。メッシが落ち着いて沈めて1点差に迫る(得点は39分)。*一応PKになったプレーの流れでメッシはしっかりゴールを決めていた。

前半43分にショートコーナーからセルジ・ロベルト、45分にはラキティッチの浮き玉パスを受けたメッシが決定機を迎えるが決めきれなかった。ボールを圧倒的に支配しながら相手の守備にハメられ、1−2で前半を終えた。

ハーフタイムでバルサは動く。セメド→ジョルディ・アルバの交代。左サイドバックだったセルジ・ロベルトが右に移った。正直、セメドの方が前半は良いプレーを見せていた感じがしたので残念な判断だった。

ただジョルディ・アルバの投入で、後半開始からバルサは怒涛の攻撃を仕掛ける。まずは後半1分、アレニャーが高い位置でボールを奪いメッシへパス。メッシの鋭いシュートはバレンシアGKネトにセーブされる。後半7分にはペナ外でボールを持ったアレニャーが思い切ったミドルシュート。ゴールは生まれなかったが、後半開始10分間はネガティブ・トランディション(攻→守の切り替え)が非常に早く、相手陣地に押し込んでチャンスシーンを作り続けた。

バレンシアもチェリシェフやロドリゴらのスピードあるカウンターからチャンスを迎えるが、守護神テア・シュテーゲンがゴールを許さない。バルサは攻勢を強め、バレンシアはそれに耐えながらカウンターでチャンスを伺うという展開が続く。

そして19分、スアレスの意表を突いたドリブル突破から同点ゴールが生まれる。同選手が強引に4人をかわし、ペナ内にいた5人目のDFに引っかかるも、サポートしたビダルがボールを拾う。すぐさま近くにいたメッシにボールを渡すと、10番はゴールまで約20mの距離から左足を一閃。ネトが一歩も動けない見事なゴールを決め渾身のガッツポーズ。この試合への強い気持ちをチームにアピールした。

渾身のガッツポーズをするメッシ(左)

そこから押せ押せで行くのかと思いきや。残り20分でメッシが相手DFとの接触で右太ももを痛めると試合は別物に。メッシは3分ほどでピッチに戻るもあまりボールに絡めなくなった。交代出場のアルトゥール、マウコムも得点につながる働きはできなかった。その後は両チーム、決定的な場面を作れずに試合を終えた。

個人採点と寸評(採点は10点満点で平均は6点)

GKテア・シュテーゲン 7点

2失点はどちらもノーチャンス(一つはPK)。カウンターでピンチを迎えた場面も冷静に対処し、必要以上の失点を許さなかった。シレッセンが約1ヶ月半の離脱になるので、とにかくケガには気をつけてほしい。

CBピケ 5点

スピードのある相手攻撃陣に苦しめられた。相手を深く押し込む時間が長かったため、その分広大な後ろのスペースを守るという難しいタスクだった。

CBベルマーレン 5点

そこまで酷いパフォーマンスではないが、バルサレベルではなかった。前への強さを見せる場面もあったが、落ちてボールを受けるロドリゴを捕まえ切れず。そのロドリゴに突破されピンチを迎えるシーンもあった。ラングレとの実力差は歴然。第3CBは今後誰になるのか。

RSBセメド ⒍5点(後半1分OUT)

前半のみのプレー。交代の犠牲になった。ボールを失うこともあったが、精力的なプレーを見せPKも獲得している。

LSBセルジ・ロベルト ⒌5点

前半は不慣れなLSBだったため甘めの採点。後半RSBに移ってからは及第点のプレーを見せた。この試合に関しては(最近は)セメドの方が高いパフォーマンスだった。攻撃面の良さを活かし切れていなかった。

MFラキティッチ 6点

前半はカウンターを高い位置で食い止めることができず、走行距離も長くなった。チームのプレーレベルとともに後半は落ち着きを取り戻したが、ブスケツほどの存在感はなかった。次のビルバオ戦は出場停止。

MFアルトゥーロ・ビダル 5点

守備面でラキティッチのサポートを求められて試合に入ったが、結果的に助けることができなかった。人(ボール)に対しては強いが、スペースを埋めるという点(守備時の立ち位置)では物足りない。

MFアレニャー ⒍5点(後半21分OUT)

自分の価値を証明しようと懸命にプレーした。常にメッシの動きを意識し、バルサで必要なことをわきまえている。ネトを驚かせる強いシュートも放った。縦パスやドリブルで引っかかる場面もあった。

FWメッシ 7点 ★MOM

確かにいつものメッシよりは良くなかった。パスやドリブルにミスもあった。それでも2得点。文句を言えるだろうか。他にもバルサの攻撃はほぼ全てメッシを経由して行われた。リーガ8試合連続ゴールで11シーズン連続の20得点も達成。2点目を決めた後のガッツポーズには痺れた。ケガの具合が心配だ。

FWコウチーニョ ⒌5点(後半39分OUT)

先のセビージャ戦ほどではなかったが、自信を持ってプレーしているのは見て取れた。得意のゾーンからも2本シュートを放った。6日のクラシコはメッシの出場が不透明、復帰間近だったデンベレもインフルエンザで欠場が濃厚。この人がどれだけ輝けるか。

FWスアレス ⒌5点

メッシの同点弾を演出したドリブルは見事だった。ただいつもよりボールロストが多かった。そして得点がなかった。

交代出場

DFジョルディ・アルバ  ⒍5(後半1分IN)

分かりやすく攻撃のスピード感を上げた。得点に直結する決定的な働きはなかったが、相手ラインを下げバイタルエリアにスペースを与えた。本当はしっかり休んで欲しかった。次のビルバオ戦は出場停止。

MFアルトゥール ⒌5点(後半21分IN)

同点になった直後に投入されたが、チームを逆転に導くことはできなかった。メッシの存在感が薄れたことも要因だ。この選手に対して、私たちの要求が高くなっている。

FWマウコム 採点不可(後半39分IN)

精力的に動いたがインパクト無し。特徴のあるボアテングを使って欲しかった。

トピックス

・メッシ負傷後は別チームに…勝ち切れず

同点の後半25分ごろにメッシが治療でピッチ外に出てから、バルサは全く別のチームのようだった。あの勢いでいけば勝ち越しゴールを奪えそうな雰囲気だった。メッシは試合翌日の詳しいメディカルチェックを受けるほどではない軽傷っぽいが、やはり心配。6日のクラシコはメッシ抜きで挑むことになるかもしれない。国王杯であること、近年のクラシコではメッシ不在でも結果が出ていることを考えると、無理はして欲しくない。

・マウコム? ボアテングは?

今回もターンオーバーを採用して勝ち切れなかった。私は、バルベルデの采配はそこまで悪くないと思っている派だが、この試合では途中からでもボアテングを起用して欲しかった。スアレスの休養時だけではなく、こういう競った試合で彼の特徴を活かすために獲得したのではないか。コウチーニョ→マウコムの交代は単なる下位交換ではないか。と感じた。

(セメド交代も納得できないが、引いてくる相手にはセルジ・ロベルトの方が向いてるとも思うので理解できなくはない。ベルマーレン>ムリージョの序列も分からなくはない)

・バレンシア強い

バルサも完璧ではなかったが、バレンシアの強さを感じる試合でもあった。コンパクトな守備は規律が乱れず、バルサ得意の左サイドからもうまくチャンスを作らせなかった。カウンターも鋭く、右サイドのピッチーニ、ヴァスのコンビは攻守両面で終始良かった。

なかでもパレホ。本当に素晴らしい選手だ。守備ではメッシからボールをかっさらい、攻撃では長短の正確なパスでリズムを作った。PKもしっかり決めた。運動量も多い。目立たないが玄人好みのプレーヤー。

リーガでは現在EL圏外だが、国王杯ではベスト4進出。CLでも厳しいグループ(ユベントス、マンチェスター・ユナイテッド、ヤングボーイズ)でギリギリまで決勝ラウンド進出を争う戦いを見せていた(3位でELにまわった)。リーガでも上位争いに食い込んできてほしいチームだ。

最後に

次はクラシコ。メッシは出場が不透明で、デンベレは欠場が濃厚だ。現在のレアル・マドリードはムラはあるが間違いなく調子を上げてきている。前回対戦と同じように大勝できるとは思わない。ホームでの戦いなので、まずはしっかりボールをキープして、アウェーゴールを与えないことを意識したい。

初クラシコソラーリがどんな戦術(特にフォーメーションと守備位置)を敷いてくるか楽しみだ。

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