【ありがとう】アルトゥールに幸あれ

昨日(日本時間6月29日夜)、アルトゥールが来季からユベントスに移籍すると公式発表が出ました。

最後の最後まで「これは悪い夢だ」と残留を信じていました。何かの間違いであって欲しい。そんな思いは、このツイートで儚く散りました。

詳しくは分かりませんが、この移籍は完全にクラブの都合によるものらしいです。金銭的な問題、会計上の理由でバルサは6月末までにある程度のお金を用意する必要があり、それに当てはまる選手(売れる選手)がチーム内にアルトゥールしかいなかった。そして、フロント同士の関係性が良好なユベントスと利害が一致した。そういうことなんですよね。

未来ある、これから7〜10年くらいバルサの将来を背負ってくれる可能性を持つ、ファンからの人気も高い、何よりバルセロナというチームを愛してくれている23歳の若者が、クラブの都合により追い出されるように去らなければならない。

本当に悲しいですが、彼に対する敬意を込めて。この2年間のアルトゥールを振り返っていきたいと思います。

★アルトゥールという男

2018年夏、ブラジルのグレミオというクラブから3,100万+900万€でバルセロナに加入しました。

そこまでの知名度はありませんでした。僕も開幕前は「誰だこいつ」という感じでした。果たして、ブラジルから直輸入の選手に4,000万€の価値があるのか。バルセロナの中盤でポジションを勝ち取れるほどのポテンシャルがあるのか。

開幕前のプレシーズンではまずまずのプレーを見せ、ファンからの期待値は高まっていきました。ただ、堅実な采配をするバルベルデ監督のもと、シーズンが始まってからはあまり出番がありませんでした。

そんな中、彼の名が世界に知れ渡ったのは開幕から約2ヶ月が経った頃。

CLグループステージで最大のライバルだったトッテナムとのアウェー戦で、サプライズ起用された試合でした。

★転機となったCLトッテナム戦

この試合、覚えている人も多いですよね?

衝撃でした。低い位置でも恐れずにボールを触り、いなして散らす。屈強なトッテナムの選手のプレスを難なくかわし、前進する。あえてボールを晒し、相手の逆をとる。絶対にボールを失わない。

パス成功率は91%。全盛期のシャビのようなプレーぶり。敵地で4-2の勝利に貢献しました。

こんな選手がいたのか!!ついに探していた選手が見つかった!!

そう思わせてくれる、圧巻のパフォーマンスでした。

この試合から、アルトゥールは完全に主力メンバーの仲間入り。バルサイズムを継承する新世代のヒーローとして、あっという間にクレのお気に入りになりした。

★クラシコでも光った万能性

このトッテナム戦から約3週間後に行われたクラシコ。カンプ・ノウでマニータ(5-1)を達成した試合でもアルトゥールは際立ったパフォーマンスを披露します。

18-19シーズン前半戦のクラシコ

メッシ不在で迎えた一戦。右ウイングにはラフィーニャ、左ウイングにはコウチーニョが起用されました。

この試合で特に光ったのはバルサの守備。前線から休まずプレスをかけます。守備時、アルトゥールはスアレスと2トップの形になり、相対するヴァラン、そしてGKクルトワに猛烈なプレスをかけます。

まだスタメンで起用されるようになってから数試合で、しっかりと戦術を実行する力を持つ選手だということを証明しました。

それもクラシコという大舞台で。正直言って足は遅い、背は低い選手です。それでも、世界トップレベルの選手が揃う試合で通用する選手だと、このゲームで確信しました。

★アルトゥールありきの最適解

ここから、僕の中でバルサ中盤の最適解は「アルトゥール+ブスケツorラキティッチ+もう1人は誰でも」という結論になりました。

詳しくは上の2記事を見て頂ければと思うんですが、

簡単にいうと、「バルサが最もバルサらしくあるため」「そしてチームとして機能する形」はアルトゥールありきだということです。

バルサ中盤の最適解【前編】から引用

彼がピッチに立つことが最低条件。フレンキーの加入が決まっても、アレニャーが台頭しても、そこは揺るがない。僕は本気でそう思っていました。

事実、もうこの頃にはブラジル代表でも完全な主力として定着しました。

★それだけに残念だった負傷離脱

その後、アルトゥールは2度、計2ヶ月半ほど離脱します。負傷明け(後半戦クラシコ2日前)にネイマールの誕生日パーティーに出席し、ちょっとした批判を受けたこともありました。

シーズン終盤はパフォーマンスを落とし、ベンチを温める時間も長くなりました。

何より残念だったのは、CLリヴァプール戦でチームの力になれなかったこと。3-0で勝利した1stレグはベンチスタートで出番なし。

そして2ndレグは後半30分、2戦合計3-3の状況から出場するも、試合展開を変えることはできませんでした。ピッチに立った直後、バルサはあの「クイックリスタートコーナーキック」で失点。そのまま悪夢の敗戦を喫しました。

★これからの選手だと思っていたのに

ただ、この敗戦もまた人生。アルトゥールはこの時点でまだ22歳です。彼には長い未来がある。

実際、シーズンオフには肉体改造にも取り組んだようで、新たなシーズンに向けて前向きに準備をしてくれました。

今季もケガがありつつ、リーガ、CL、国王杯合わせて27試合に出場。4G4Aとゴールに直結するプレーも増えた印象です。セティエン体制になってからは出番が少なくなった印象もありましたが、彼がバルサの未来だという確信は揺るぎませんでした

★これもプロの世界だけど…

クラブ都合の理不尽な移籍。これもプロの世界なら仕方ないのかもしれません。アルトゥールも、最終的には首を縦に振るしかない。そう判断したのでしょう。

ただ、それでも。やはりファンにとって、僕個人にとって、この移籍は許せるものではありません。ネイマールショックの後、とにかくビッグネームを高額でとるだけの無能さ。そのビッグネームたちはことごとく活躍できず、カンテラ育ちの有望株は安価で売り出すしかない。最終的にそのツケを払ったのはアルトゥールだと考えたらもう。

バルトメウはじめ、首脳陣がバルサという歴史あるクラブを潰しています。

コロナウイルスも憎いです。もし今、カンプ・ノウにお客さんが入る状況だとしたら、バルトメウらにフロントに対しては白旗が振られ、アルトゥールに対しては大拍手が送られるでしょう。そもそも、アルトゥールの移籍は実現していなかったかもしれません。

ただ、これらの文句を僕たちが言い続けても、状況は何も変わりません。こればっかりは、受け入れるしかない。

★最後に

まとまりのない記事になってしまいました。最後まで読んで頂きありがとうございます。

アルトゥール、今季終了まではバルサの一員として戦ってくれるそうです。本当に頭が上がりません。せめて、最後はカンプ・ノウで、拍手で送り出したい。

「状況が変われば、またバルサに戻ってきたい」。難しいとは思いますが、そう感じてくれるような最後にしたい。

遠い極東から、届くはずのないメッセージを送ります。

グラシアス、アルトゥール。オブリガード、アルトゥール。ありがとう、アルトゥール。

あなたのプレーが大好きです。これからも、どこに行っても応援しています。

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